【必携】The Third Door サードドア 精神的資産のふやし方②

レビュー

Bonsoir! 川古です。

前回「The Third Door サードドア 精神的資産のふやし方」について書かせていただきました。

本記事では内容について、簡単なあらすじと気になったワード等をご紹介させていただこうと思います。

本書は非常に読みやすく、参考になる考え方やヒントがてんこ盛りです。

ベストセラーではありますが、まだ触れておらず気になっている方は是非一度手に取ってみてください。
(厚めの本なので、電子書籍もオススメです!)

本書の内容について

前回の記事の引用になりますが、サードドアという考え方については、以下のとおりです。

ファーストドア(第一の扉)=99%の人が並び行列を作る正面入り口

セカンドドア(第二の扉)=選ばれた人だけが利用できる入り口

サードドア(第三の扉)=裏道を駆け抜け、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けた先にある入り口

本書は、著者であるアレックスがファーストドアの行列から飛び出し、サードドアを開けるまでの過程が主観的に描かれています。
また大きく分けて、以下5つの章で構成されています。

  • STEP1 行列から飛び出せ
  • STEP2 裏道を駆ける
  • STEP3 インサイドマンを探せ
  • STEP4 ぬかるみを歩く
  • STEP5 サードドアを開けて

今回は、僕が気になった箇所やあらすじをご紹介したいと思います(※読む予定かつ内容に触れたくない方は、気が向きましたら再度訪れていただけると幸いです!)

STEP1 行列から飛び出せ

ミッションのきっかけ


この章では、まずファーストドアを抜け出すきっかけが書かれています。

著者であり主人公のアレックス・バナヤンは、貧しいけれど、後押しされ医者になる道を進む青年。

レールに従った漫然とした人生に日々疑問を感じていた彼は、友人たちとあるブレインストーミングを行います。

それは「夢の大学を開校するなら、誰を教授に迎えるか?」といったもの。
これがアレックスの旅の始まりであり、偉大なミッションのきっかけでした。

アレックスは最終目標をビル・ゲイツとして、インタビューを行うための計画がスタートします。

クイズ番組に出場


まずお金が無いので、資金を工面するために、賞金目当てでテレビのクイズ番組『プライス・イズ・ライト』への出演を企てるのですが…

番組の収録前日は大学の試験日。
更にはギャラリーとして出演し賞金をゲット出来る確率が0.3%程度だと解り頭を抱えます。

しかし彼は最高のシナリオを勝ち取るため、クイズ番組で成功する方の道に賭けました。

結果、あの手この手で出演権を得てクイズにも勝利。
賞品であるヨットを売り、1万6000ドル(約100万円以上)を手に入れることになります。

この時点でかなり大胆な挑戦と偉業!
そしてこのエピソードは後々の大きな武器になっているんです

大いなる決断


資金調達に成功し、夏休みを迎えるタイミングだったため、順調にミッションをスタートさせる予定でしたが…
通っている医学部の履修・単位が足らず、計画遂行のため専攻を経営学へ変えることを決意します。

その話を受けて、苦労人である両親はヒステリックになりますが、いつも味方となってくれている祖母に「必ず卒業すること」を約束、命に誓うアレックス。
なんとか説得することに成功しました。

若くして決意したこともすごいですし、当然のような親の反応にも打ち勝った彼は尊敬に値しますね。

それから、個性豊かな友人持つことや、家族の尊さを伝えてくれているようでした。

STEP2 裏道を駆ける

レールを超える難しさ


「誰にインタビューするか」考え始めた時、指示をくれる存在やリストがないことに気付きます。

これまであれこれ指示されるのが嫌で仕方なかったのに、いざなくなると何をしていいかわからない…

この「いかに敷かれたレールのまま生きていたかが解る」気付きには大きな共感がありました。

アレックス
アレックス

多くの場合、夢をかなえようとするときに一番難しいのは、夢をかなえること自体じゃない。
計画もないままに未知の不安をくぐり抜けることの方がずっと難しいんだ

この言葉は、多くの人が挫折する原因となる「どうしていいかわからない現実」と「不安に負けず進むことの難しさ」を訴えてきました。

とあるきっかけで、スティーヴン・スピルバーグへインタビューするチャンスを得たアレックスですが、萎縮(彼がフリンチと呼んでいる現象)が発生します。
要するに、緊張して動けなくなってしまうことです。

これについてアレックスは、後ろ指をさされて馬鹿にされたり、周りから浮いてしまうことへの恐れが原因だと言っています。

まさに出る杭はうたれる…ことわざを象徴する心理現象ですよね

この風潮こそ、人の可能性を阻む大きな要因だと思っています

スピルバーグ・ゲーム


この時には詳細なインタビューは叶わなかったのですが…
本章でスピルバーグは大学時代、以下のように成功を収めたと記されています。

  • ユニバーサルスタジオハリウッドのツアーバスから飛び降りて隠れ、一日を過ごす
  • さまよい出逢った職員に監督になりたい旨話したところ、三日間のフリーパスを貰う
  • 以後スタジオに通いつめ、三か月忍び込んでプロデューサー等に近づきノウハウを盗む
  • 12歳のころから短編を作っていた経験もあり、懇親の短編作品を完成させ、メンターとなった職員に見せたところ感動
  • 職員は制作副部長にその作品「アンブリン」を紹介し7年契約が成立、史上最年少で大手スタジオの映画監督になった

またスピルバーグが行ったコネ作りは以下の3ステップ。

1.ツアーバスから飛び降りる
2.インサイドマン(内部の関係者)を見つける
3.その人に中に入れてもらえるよう頼む

これはサードドアの概念にそのまま通じるものですよね。
他の多くの監督には出来ず、スピルバーグが契約を結べたのは、運や魔法の力ではなく、上記の「スピルバーグ・ゲーム」によるものだとアレックスは確信します。

数々のインタビューとヒント


アレックスは、リストに無い人物へ数々のインタビューをし、着想を得ていきます。
それは後々の大きな力を与えてくれた人物でもあり、印象に残ったのは以下です。

◇「『週4時間』だけ働く」の著者 ティム・フェリス
ずっとコールドメール(飛び込みのメール)を無視され続けていましたが、講談に足を運び、半ば強引に会う約束をすることに成功します。

ティムからはその経緯について「粘り強さと迷惑をかけることは紙一重」だと諭されます。

そして自身の功績については「最初から信用されていたわけではなく、著名な組織や出版社と関わりをもつことで、それらから”信用を借りた”」のだと語ってくれます。

ティムは、サードドアの有効的な叩き方に加えて、そのリスクについても教えてくれています。

◇マイクロソフトのオンラインサービスプレジデント チー・ルー
中国の非常に貧しい村の生まれの彼は、Yahoo!ショッピングと検索システムを作った偉人。
10年もの間Yahoo!に在籍し、専務取締役を務めた後にマイクロソフトへ移籍しています。

そんな彼には、たまたま才能を見つけてもらえたきっかけがありました。
そして運をバスみたいなものだと例え、こういいます。

「一台逃しても、また次のバスがくる。でも準備しておかないと、飛び乗ることは出来ない」

この時アレックスは、同じマイクロソフトの重役である彼にビル・ゲイツに取り次いでもらうようお願いするも、秘書から断られてしまいます。

運やチャンスについては、僕も波乗りに例えて訓えを受けたことがあります
なるほど、対象こそ違えど、考え方としては一緒ですよね


ここはファーストドアを飛び出たアレックスが、ミッションの始まりとして少しずつ成果を得ていく章となっています。

STEP3 インサイドマンを探せ

無二のメンターとの出会い


ビル・ゲイツにコンタクトをとろうと秘書へ連絡するも、幾度となく断わりの返事をもらうアレックス。

模索する中で、インタビュー実現には、まず本を出すための出版契約を結ぶことが必要なのだとアドバイスを受けます。

糸口をつかむため、アレックスはエリオット・ビズノーという人物に会う約束を取り付けます。
ただそれは同時に、スケジュールの被る大学の試験を欠席(落第)を覚悟するものでした。

エリオットはビル・クリントン元大統領のサミットを成功させており、同じサードドアの住人。
以後のアレックスにとって無二のメンター、そして友人となる重要人物です。

彼に会ってから最初に、同席した打ち合わせで教えてくれる「5つの基本ルール」の中から、特に心に残ったものをご紹介します。

エリオット
エリオット

「メンバーとして振る舞え。以前からいるみたいに部屋に入るんだ。有名人を見たからってポカンと見とれちゃだめだ。クールに、落ち着いて。写真を撮らせてくださいなんて決して頼むな。仲間と見なされたいのなら、仲間らしく振る舞うんだ。ファンは写真をねだる。仲間は握手をする」
「信用を失ったら終わり。名声を築くのは何年もかかるが、失うのは一瞬」

僕はこれを聞いて、何故かふと以下のエピソードを思い出しました
・過去に声優のスタジオで講師にサインを求めた受講生がいたこと
・3月のライオンという将棋漫画で、新人である主人公と名人がエキシビジョンマッチをする際、師匠が「相手は同じ人間だ。自分の中で勝手に化物を作るな」というようなことを言っていたこと

エリオットは、アレックスがクイズ番組でミッションの資金を工面した話を、彼と会ってから二時間後に話したことを叱りました。

「そんな面白い話、なぜしないのか」と。

彼は「誰だって生きていれば何かしらの経験をする。それを面白おかしく語れるかどうかで、違いが生まれるんだよ」と話します。

これについては、昔ラジオ講座に通っていた時に講師の方から聞いた「アンガールズの田中さん曰く、何でもない話を工夫していかに6割くらい笑える話にするか心がけている」という話を思い出しました。

前提条件を探る


ビル・ゲイツと会うためには、前提として大手出版社と契約をする必要があり、そのためには「エージェント」が必須であると悟ったアレックス。

大勢のベストセラー作家からコールドメールの返事をもらい、そこで浮彫になった問題は以下でした。

・若くて知名度も経験も浅いアレックスが本を出そうとしていること
・マーケティングの発想が大事だということ

つまるところ、まずはエージェントに、事実や統計を駆使し「この本は売れる」という根拠を示す必要があったんです。

「ノーエージェント、ノービル・ゲイツ」著作権エージェントがいなければ出版契約は結べない。
そして契約がなければゲイツにたどり着くことはことは叶わない、と再認識します。

エリオットからの教訓


本書の中でエリオットの言葉から感じ取れるものの大きさは、いかにアレックスが彼に支えられていたか、多くを学んだかが解るものとなっています。

本章において、エリオットの言葉で僕が特に感銘を受けたものを以下にご紹介します!

◆アレックスが飛び込み電話をする際、緊張で言葉が出なくなることへの助言
「それは考え過ぎてるからさ。友達に電話してるんだと自分に言い聞かせて、さっさとダイヤルしてすぐに話を始めるといい。緊張に対する一番の特効薬は、すぐ行動に移すことだ」

「実力以上仕事を引き受けろ。やり方は後から学べばいい。」

「お前はみんなが、自分のやったこと自体に興味を持ってると思ってるだろ。なんせ有名なテレビ番組の話だしな。でも大事なのはそこじゃない。伝え方こそが大事なんだ」

「お金をつぎ込んで目先儲かったでよしとするのか、長い目で見てもっと大きな何かにつながることを望むのか、そこをよく考えて判断したんだ。生きるのに必要な額以上のお金はさ『ゲームに参加するために』使うんだ」

◆エリオットの想い、サードドアの本質が詰まった言葉
「俺が今から言うことは」
「世間の99パーセントの人にはわかってもらえないだろうな」
「いいか、大半の人たちは直線の人生を生きる」
「大学に行ってインターンをやり、卒業して会社に入って昇進する。

毎年の休暇に備えてお金を貯め、次の出世を目指して働き、そうやって生涯を送る。
直線の上を順番にゆっくりと、敷かれたレールの上を生きていくんだ。
でも成功する人間はそんな枠に収まらない。
彼らは一足飛びの人生を選ぶ。
直線上を一歩ずつじゃなくて、階段を飛ばして進むんだ。
みんな言うだろ。まずは『下積み』をして数年は経験を積まなきゃ、独立したって欲しいものなんか手に入らないよ、とかさ。
世間はそんな嘘を俺らに植え付けるんだ。
1、2、3と手順を踏まないと夢なんて達成できないって。
そんなのおかしい。
一足飛びの人生を選んだっていいんだ。
それを決めるのは、自分自身さ。
天才だったら、ほっといても一足飛びのチャンスが舞い込んでくる。
でもたいていの場合、俺らみたいな人間は、自分でつかむしかない。
本気で有名になりたいんなら、自分の人生を成功、冒険、インスピレーションにあふれたものにしたいなら、一足飛びの人生をこの手でつかんで、全力で守るしかないんだ」

特に、長い目で見るか目先の利益を選ぶかという話は面白いです。

本書外で知った内容ですが、これは「遅延割引」という概念だそうで、海外の研究でも判明しているそうです。
(例えば、具体的な平均値として「一年後に10000円貰える場合と今1700円貰える場合どちらを選択するか」というアンケートに関して、後者を選択する人が圧倒的に多いそうです)

「多くの人間は目先の利益を追求して結果損をする」というものが遺伝子レベルの仕組みとして存在する証明と言えそうですね。

本書後半のインタビューでビル・ゲイツ自身、目先よりも将来的な利益を選択したという話をしていることからも、重要な考え方であることは疑いようがありません。

優先順位


ある時エリオットはアレックスに、自分の下で働かないかと誘います。
そうすればミッションやインタビュー、本を書くことまで全て叶え「一足飛びの見えない景色を見せてやる」「お前のためなら喜んでファストパスをやる」と。

迷うアレックスは、サミットで知り合った、ウォーレン・バフェットの元で7年間働いたという人物ダンから「やらないことリスト」という考え方について聞きます。

それは以下のようなものです。

  • まず紙にこの先一年でやりたい25のことを書く
  • そこから更に5個しか選べないとして、新たに5個抜き出す
  • 残った元の20項目には「やらないことリスト」と書く

これは本当にやりたい5つを厳選し、他を切り捨てるという思考法。
この「やらないことリスト」について、ほとんどの人はやりたいことが多すぎて、どれ一つまともに出来ないそうです。
彼は「成功とは、自分の欲求に優先順位を付けた結果なんだ」といいます。

アレックスは迷いましたが、エリオットの誘いを断り、自身のミッションを優先させる決断をします。

「この話を受けないのなら、お前は人生最大の過ちを犯す」と言いつつも、なんだかんだエリオットは「お前は仲間なんだから、いつでも戻ってこい」と言ってくれるんですよね…流石は無二の友人。

自分なりの戦略


決意を新たにするも、エージェントから軒並み断られ続け、落ち込むアレックス。
そんな彼に友人のブランドンは言います。

「Amazonを真似てもAmazonに勝てない」
「お前がやってきたのは他の人たちの戦略のコピーだ。お前には信用も力もないんだから、状況がまったく違う。真似たってうまくいかない」

アレックスは、彼らの戦略が有効だったのは、それが彼ら自身のもので、彼らの力と状況に応じた戦略だったからだと気付きます。

やぶれかぶれ気味にダメ元で、いかにも気取ったメールを大本命だったエージェントにしてみたところ…その場でエージェントになると返答を貰うことが出来てしまいます。

セオリーに縛られず、自分なりのやり方が功を奏することもあるんですよね…

エリオットのサミットで知り合った人の伝手で、パーティに参加するアレックス。
そこには、彼の憧れでもある米アパレルの大手ザッポスのCEO、トニー・シェイがいました(著書「ザッポス伝説」はアレックスが大切にしている本)

そんな彼は言います。

トニー・シェイ
トニー・シェイ

エゴが健全とは言わないが、一番悪いのはエゴを持ちながらそんなのはないと、自分に嘘をつくこと。見栄とモチベーションは共存するんだ

トニーはパーティの余興で「一日CEOをしたい」というアレックスのお願いを受けてくれ、アレックスは彼のミーティングに何度も参加することになります。

アレックス曰く、最初の方はミーティング後、振り返って毎回「どうだった?」と聞いてきたものの、最後にはトニーが彼の方を振り向くことはなかったそうです。
なぜなら、アレックスは彼の後ろではなく、彼と並んで歩いていたから。

↑この言い回し好きなんです!

一日CEOをするアレックスを見て、ザッポスの社員が何人か羨ましがっていたといいます。
別れの日、そのことをトニーに「何故影を他の社員にやらせてあげないのか?」と聞いたところ、トニーはこんなことをいいます。

「喜んでやらせたいよ。でも、誰も頼んでこないんだ」と。

いやぁ、言ったもん勝ちってあるんですね!といった感じです(笑)

エージェントに売り込む出版契約書に追い込まれるアレックスは、休学を検討します。

そんな中で、Facebook(現Meta社)のマーク・ザッカーバーグのエピソードを知り、教訓を得ます。
偉人は皆進んで大学を辞めるような印象があるが、彼は進んで大学を辞めたんじゃなく、進学するために休学をしたりなどしたそうです。

映画や記事の見出しでは、白黒はっきり”反逆者”などと書かれることが多いザッカーバーグ。
でも実際はそうじゃなく、全ては白黒で割り切れるような問題ではなく、グレーなのだと気付くのでした。


ミッションを成功させるためのインサイドマン(内部の関係者)を見つけようと動き出すこの章では、出版契約へ向けアレックスが奔走する姿、そしてエリオットに”仲間”として認めてもらう過程も描かれています。

STEP4 ぬかるみを歩く

立ち止まってしまいそうな時


史上最も成功した投資家で、アメリカで二番目の富豪ウォーレン・バフェットにインタビューを断られ、アレックスは落ち込みます。

「成功において粘り強さに勝るものはない」といった世界中の偉人の名言をプリントアウトし、壁に貼り付けます。

それでも断られ続ける彼に、エリオットは「ビジネスは射撃訓練じゃない」と助言します。
「一つの的に固執するのはよくない、選択肢は沢山用意して一つ一つパイプを繋いでいくんだ」と。

納得出来ないアレックスは、バフェットに偶然出逢えるのを期待して飛行機のチケットを購入し、オマハを尋ねます。

しかし現地は30年に一度の寒波で、結果は伴わず。

モーテルで凍えながらFacebookを眺めるアレックスは、そこで充実した生活を送る友人やかつての想い人の写真を見て、みじめに思えて涙します。

自分で選んだ道が現状であり、そうではない道を選ぶことも出来たのに…何で選んだのかわからない、と。

成功者や頭のいい人には孤独がつきものといいます
こうした描写は「経過についての価値」も内包するような気がして…
励まされている気分にもなりますね

苦悩するアレックスは、400もの特許を持つセグウェイの発明者であるディーン・ケーメンにインタビューをします。
その折に彼は「こうしたら良いというロードマップをあげたいわけじゃない」とした上で、童話を例えにした風な助言をします。

  • 池の中にいるカエルにキスをし続ければ、どれかがお姫様かもしれない
  • でもいなかった場合、ただ気持ち悪くなって浪費するだけの結果になるし、辞め時がわからなくもなる
  • 「そこでどうしたらいいか」の問いには「解らない」と答えるしかなく、自分次第
  • アメリカ大陸横断に初めて成功したルイスとクラークは、初めての挑戦をしたから有名になった(真似て地図を見ながら成功した人はなんとも思われない)
  • 怖くて無理だというなら、先駆者のリードを待てばそれなりな結果は出せる
  • ただ先駆者の仲間入りをしたいなら、凍傷になる覚悟をして他人任せにしない

更に現状のような「ぬかるみを歩くコツ」についてアレックスは、せめて正しいカエルをみつけるコツやポイントについて教えを乞います。
それに対し、ディーンはこう返しました。

「ダラダラと失敗を重ねるよりは、それが不可能であると証明したほうがいい、時間を浪費しているのに気付くのは重要なことだ」
「解決できない問題だと納得できたら、自分を臆病者だと思わずに撤退すればいい」
「カエルにキスし続けたのに同じような結果しか出ないなら、どこかでこう考えた方がいい。運には頼らない。宝くじなんて買わない」
「いつも粘り強さは大事とか、臆病者になるなとかいうが、やみくもに頑張るのは単なるバカだ」
「二つ目のコツは、全てのカエルにキスをしようとするな。カエルが数十億匹といたって、その種類が10種類だけってこともあるだろ?」
「まず何種類のカエルがいるか突き止めるんだ。そして、それぞれの種類から一匹だけとってキスすればいい」

ヒントであると同時に、諦念に関して核心をついてくる
これは耳が痛くなる内容だなぁとつくづく思います

別の解決策


バフェットへのインタビューについて、別の解決策を考えるアレックスはあることに気付きます。

アレックス
アレックス

一対一のインタビューばかりを考えていたが…重要なのは質問に答えてもらうことであって、方法や場所は問題じゃない(まだキスをしていないカエルが見つかるかもしれない)

着想を得たアレックスは質問の機会を得るため、友人達を連れてバフェットの株主総会へ訪れます。

質問できるのは抽選で選ばれた人だけでしたが、選ばれる傾向を調査し、4人もインタビューの権利を得ることに成功します。

バフェットは総会で、以下の回答を提示してくれます。

「お金を得たいならふさわしい人間になり、実績を身に付けること」
「それが運やツキ、時代に恵まれただけではなく、ちゃんと頭を使った結果であることを納得させる」
「実績を作る前にお金を集める最善の方法は、自分を信頼してくれている人から集めるのがいい」

またアレックスは、ダンがサミットで教えてくれた「やらないことリスト」について考えをうかがったところ、バフェットは「そんなものは知らない」と言い放ちます。

結果、質問した内容についても的外れだったと、アレックス達は大勢から笑いものにされます。

でも、バフェットがそんな嘘をつくなんて思えない彼は、ダンのガールフレンドに連絡すると、案の定ダンが嘘をついていたと判明します。
またバフェットのアシスタントに連絡しても、ダンがバフェットの部下だったという事実はないと返答があったと知ります。

アレックスは傷つき、それ以来ダンとは連絡をしていないそうです。

結局ダン(仮名)が何者だったかは解らず…
ただ、経歴を偽った人間の助言でも、一考の余地があ
ったんですよね

人間の本質


バフェットの総会を経て、うなだれるアレックスに奇跡が起こります。

世界で最も有名なインタビュアーの一人で、5万人以上もインタビュー実績のあるラリー・キングが、たまたまスーパーで通りかかったのです。

アレックスは大声をあげてアピールしまくって、なんとかインタビューにこじつけました。
(アレックス、勢いでインタビューしまくってますね…)

ラリーはこういいます。

「若いインタビュアーの問題は、私たちのスタイルを真似しようとするばかりで、なぜそうするのか考えない。私たちがそうするのは、自分が最もリラックスできるやり方だからさ。自分がリラックスすれば、相手もリラックスしてくれ、これが最高のインタビューを生むんだよ」

そして「秘訣を持たないことが秘訣だよ」「自分らしくいるのにコツなんかいらないだろ」と付け加えます。

ラリーは放送業界に入るには文字通り扉を叩いてまわるしかなかったそうです。

それはインターネットが普及した現在も一緒で、以下の言葉はアレックスに気付きを与えます。

「人間の本質は変わっておらず、みんな人間が好き」
「メールボックスの中の誰だかわからない人間を好きになる人なんていない」

今までスピルバーグやエリオット、ラリーが話を聞いてくれたのは、直接目を見て話したから。

ビル・ゲイツの秘書が返事をくれないのは、自身に問題があるのではなく、素性のわからない単なる名前に過ぎなかったからだと。

会うことが出来れば結果は変わってくる…
サードドアについて考える上でも、肝に銘じたい教訓ですよね


この章ではミッションが低迷し、裏切られ、笑いものにされつつも、前進し活路を見出すアレックスの苦悩が垣間見えます。

STEP5 サードドアを開けて

ゲイツのインタビュー


ビル・ゲイツの主席秘書に直接会うアポをとってもらい、ついにこの章でインタビューを果たします。

ゲイツへのインタビューはアレックスの当初のミッションにおいての最終目標でもあり、やはり得られる教訓も多いです。

以下にインタビューについてまとめてみました。

◆重要な転換点となったIBMとの契約について
・誰もが当時若いゲイツをいぶかしく思っていた
・会議で売り込むための一番の方法は、まず相手の不信感を吹き飛ばすこと
・一番の方法は「専門知識で相手を圧倒し、ただの若造ではないと見せつけること」


・IBMからお金を搾り取ろうとせず、寧ろ本来の価値より安く話をまとめていいと考えた
・IBMとの契約=パソコン市場に新規参入してくる会社は、マイクロソフトにもっと金になる契約を持ちかけてくるだろうという先見の明
・ゲイツは現金以上に価値のある「戦略的ポジション」を手にしたかった
・その後に何も続かない大きな契約を結ぶより、その後にたくさん契約につながるフェアな契約をした方がいい
・「短期の利益に飛びつくよりも長期的なポジショニングを選ぶ」ということ


◆いつも聞かれる「どのくらいで終わるか?」という納期について
・口では「約束する期日より早く仕上げる」とアピールする
・よく聞く手法で実際も数か月かかったが、長い目でみればそれは重要ではない
・重要なのは、大企業が抱える「動きが遅いという問題」がちゃんと見えていたこと
・だからゲイツは「相手が最も欲しがるもの」をアピールした

これらのゲイツの深い話は、アレックスの契約について抱いていた思い込みを覆すものでした。

ただ「世界一の大富豪の知られざる10の秘密」みたいな派手さがないため、後になって録音を聞いて価値に気付きますが、その時アレックスは「本当に?それだけ?」と考えるだけだったそうです。

「こうすれば出来る」を期待してしまう読者と同じ目線ですよね

◆年上で経験のあるIBMを相手にした交渉について
・ゲイツは「ソースコードと無限責任」の話をした
・ゲイツには、IBMが欲しがっているものが「ソースコード」であると同時に、恐れているものが「訴訟」だとわかっていた
・これを戦略にし「故意であるかに関わらず、IBMからソースコードが外部に漏れた場合は数十億の訴訟を起こせる」ようにした
・IBMの弁護士は恐れ、ソースコードには手を触れないことにした
・「敵が恐れているものを知り、それを有利に活用すること」が大切
・交渉相手の素性を詳しく知ることが重要
・なるべく仕事抜きの付き合いをして懐に入れてもらい、アドバイスをもらえばいい
・バズフィードにあるような小手先の方法なんて気にしてはいけない
・交渉相手とは敵ではなく味方として親しくなる
・最強の交渉戦術とは、純粋に信頼し合える関係を築くこと
・無名の起業家であれば尚更、信用が無ければ一緒にビジネスなんてしてくれない
・相手が友人やメンターになってくれれば、もはや交渉の必要すらない

アレックスは最後に「初期の頃の最もバカげた笑い話は何ですか?」と質問しました。

そこでゲイツがしたのは、日本との取引について文化の違いを揶揄したような話。
(日本人はもったいぶって結論を言ったり「善処します」という実際とは裏腹な言葉を使う等)

この質問の時は、ただ笑い合い「最初からこういうやり取りをしていればよかった」と思うのでした。

ラリー・キングの言っていた「リラックス出来る方法」こそ此処にあり、ということだったのかもしれませんね。

人に好かれる人が最強、という話はよく聞きます
長期的な利益を考えていたことといい、ビル・ゲイツは予め心得ていたんですね

サードドア


ゲイツのインタビューから二か月後「どうかこれ以上バフェット氏のオフィスには連絡しないでください」との返信を受けてしまいます。

ティム・フェリスには31通ものメールを送ったアレックス。
自分の目標達成ばかりに捉われ、彼を困らせた時に「執着し過ぎるのは逆効果」と気付くべきだったと後悔しました。

そこからスピルバーグを含むたくさんの人に、何度もインタビューを断られます。

アレックスは「ゲイツへのインタビューがティッピングポイント(劇的な転換点)になると思っていた」とエリオットに相談します。

エリオットはこう返します。

「バカだな、俺と合った時にも質問したが、そんなものはない。日々の積み重ねだよ。
ティッピングポイントなんて、後から振り返ってわかるものなんだ。前線に立っているときは気付かないよ。
俺はお前がコールドメールを送ってきたとき、その一か月前に新年の決意として、誰かのメンターになろうと決めていたんだ。
まさかだろ。お前はたくさんの人に連絡をとり、その中の一人にうまく当たった。

お前の力の及ばないところで予想しえない形でな。
そのとき相手がどういう状況にあるかなんて、知るすべはないだろ。

彼らが機嫌がいいとか、誰かの力になりたいと思っているかなんて、わかりっこない。
だからバランスよくトライする必要があるんだよ。
行き詰ったら、でかく考える、もう一つは見方を変える。

相手が断れない状況を作るんだ」

まさに勝負は時の運
チャンスは選ぶのではなく、掬い取るとでもいいますか…
タイミングが違えば、今のアレックスは無かったんですね

このタイミングでアレックスは、エリオットの紹介でレディー・ガガのソーシャルネットワークを作ったマットと知り合います。
そして、今までインタビューしてきた人たちに共通することについて、サードドアの話をします。

本書の主題であり冒頭にもある記述を、改めて以下に引用します。


人生、ビジネス、成功。
どれもナイトクラブのようなものだ。
常に3つの入り口が用意されている。

ファーストドア:正面入り口だ。長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか気をもみながら、99%の人がそこに並ぶ。

セカンドドア:VIP専用入り口だ。

億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。

それから、いつだってそこにあるのに、誰も教えてくれないドアがある。

サードドアだ。

行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先にーーー必ずある。

ビル・ゲイツが初めてソフトフェアを販売できたのも、

スティーヴン・スピルバーグがハリウッドで史上最年少の監督になれたのも、
みんなサードドアをこじ開けたからなんだ。

The Third Door サードドア 精神的資産のふやし方 冒頭より

アレックス自身の言葉で綴られたこのキャッチコピーは、本当にしっくりきますね。 

成功の定義


スティーブ・ジョブズと同じアップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアックへのインタビューも特徴的でした。

同じスティーブではありますが(どうでもいい)、彼はジョブズほど成功者として有名じゃない印象ですが、双方で大きな差があることがわかります。

ジョブズは利権主義で金や功績にがめついところがあるそうです。
アップル創業前、ゲーム開発でウォズニアックと折半する金額を多めにふんだくったり、株式公開の際の莫大な資本(自社株購入権)を、アップル当初からいた従業員には一切分け与えない方針だったといいます。

一方ウォズニアックは、従業員は家族同然だったし、手にした株を彼らに分け与えたとのこと。
彼は「本当にやりたいことをやって幸せ」だという。

これを聞いたアレックスには、ジョブズの方が成功しているなんて断言できないと思ったのでした。

このシーンでは、成功するということについて深く考えるべき根本があるように感じます。

成長と経験と


ミッション、インタビューを続ける中で数々の教示や発見があり、アレックスは自分を見つめ直していきます。

世界で最も有名なミュージシャン、ピットブル(本名:アルマンド・ペレス)は「生きている限り見習いで居続けたい」といいました。
さながら「王のムファサで居続けたければ、シンバのように成長し続ける必要がある」というように。


動物行動学者のジェーン・グドールとのインタビューを通して知ったのは、彼女がメンターから関係を言い寄られたエピソード。
そして、リストにあったインタビュー対象が男ばかりで、知らずのうちに女性差別をしていたということに気付きます。

アレックスは姉妹達に同じことが起こったら…と想像し、憤ります。

その話をしたところ、彼女らは「女性が口説かれるのはパパもアレックスも侮辱だと思ってるから怒っているのよ」と返答します。
また女性には障害や差別が多いのに、世の男性はそれを認知すらしていないのが問題だと。
女性と一緒に暮らしているアレックスでさえ解っていないのだから、そうでない環境の男がどう考えているか…ということを示唆します。


女優のマヤ・アンジェロウは言います。

「書くことほど怖いものはないけれど、書くことほど自分を満足させるものはない」

これは、やりたいことを始めた人は、いつかそれを使命だと感じるようになり、ただの仕事じゃなく天職だと感じるようになる、ということでもありました。

また求人募集で多くの場合「経験者優遇」という条件をよく見かけるが、それではどこで経験を積めばいいのか?という疑問に対し、彼女の答えは「スキルを実際より大きく見せ、入ってから学ぶ」といったものでした。
自分は出来ると信じ、それを見せれば周囲の人は安心する。
ほとんどのことは後から学んで身に付けるのだと。

死と向き合う


アレックスの父が膵臓ガンになり、彼は人生最大のショックを受けます。

そんな中行ったジェシカ・アルバへのインタビューは、アレックスにとって大きな意味を持つものでした。
彼女は女優、そして会社(健康によい製品を提供する)を立ち上げ30億ドルの売り上げを出すという、二つの偉業を成し遂げました。

しかしその功績は、よくあるセレブの見栄のようなものじゃなかったんです。
彼女もまた家族が病気やガンばかりで、死に向き合い、嫌でも自分の内面と向き合った結果だったといいます。

ジェシカ・アルバ
ジェシカ・アルバ

誰だって、生まれてくる境遇を選ぶことは出来ない。
あなたの生まれた家族があなたの家族で、あなたの生まれた環境があなたの環境なの。

だから自分の置かれた場所でなるべく多くのものを得られればそれで十分だし、他の人と比べる必要なんかない。
自分の歩む道をちゃんと見ることよ。
その先に何が待っているかとか、その先にゴールがどこにあるかはあなた次第。
それを決めるのはあなたで、別の道を行こうなんて思わなくていい。

このメッセージは、自分らしく道を模索しつつも、無理をする必要はないという風でもあって。
見た時の各々の状況によって捉え方が変わるような気がしました。

失敗と成功


アレックスは、マイクロソフトのチー・ルーに取り次いでもらい、ザッカーバーグへのインタビュー許可を貰いますが…問題が発生します。

セミナーの後、時間を貰える予定でしたが、セミナーの主催者に不審者と疑われ、VIP専用入り口から通してもらえなかったのです。

結局インタビューは叶わず、助け舟を出してもらったにも関わらず、適切な対応が出来なかったアレックスは自分を責めます。


当時マフィアが牛耳る音楽業界にいた伝説的音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズは、自身の経験を通し、インタビューでこんなことをいいます。

何度ノックダウンされても立ち上がるんだ、敗北して去っていくものもいる、用心深く臆病になるものもいる、情熱よりも不安が勝ってしまう人もいる、でもそれは間違いだ。
一見複雑なようで、実は割とシンプルなんだ。つまり、リラックスして神に委ねることさ。
Fをとるんじゃないかとびびっていたら、Aなんかとれやしない。

失敗は最高の贈り物。
クインシーと話してアレックスは五年間、最も有名な映画監督、世界一の金持ち等、上ばかりみてきたことに気付きます。

そしてアレックスの価値観は「どちらも挑戦した結果という点で、成功と失敗は同じもの」といったものに変わり、もう成功にも失敗にもこだわらず、挑戦し成長しようと決意するのでした。


レディー・ガガのソーシャル・ネットワークを作ったマットがメンターとなり、彼女に会う事になった際、ちょうど三枚目のアルバム「アートポップ」についてインタビューイベントを控えているところでした。

ただ彼女には、怪我をしてマネージャーと口論になり解雇した背景があったため、その点について責め立てられる懸念がありました。

そこでマットらとブレインストーミングを行い、アレックスは経験からどういったアピールをすべきか提示し、受け入れられるのですが…
それを朝までにうまくまとめられず、困っていました。

そこで、アレックスが昔感銘を受けたジョブズのスピーチ動画をガガに見せたところ、インスピレーションを得たようで、インタビューを成功させるに至りました。


この章は副題が「サードドアを開けて」となっていますが、目を通してみると、存外うまくいかないことがある事もわかります。

それはアレックスがミッションを進めるうちに学び、本書巻末にて結論として導き出したサードドアの根本にある”挑戦”について、自身の経験に基づいて読者に示してくれているようでした。

サードドアを開けるのはあなた自身の手


本書における旅の終わり、アレックスは帰りの飛行機で、どうしてガガとこんな体験が出来たのかを振り返ります。

エリオットにコールドメールをしたところから始まり…考えていくと、ある一言にたどりつきます。

それは、ハリー・ポッターシリーズの重大な局面で、ダンブルドア校長がハリーに言った言葉でした。

「君が何者であるかは、君の持っている能力ではなく、君の選択によって決まるんだよ」

これまでにインタビューしてきた偉人達に能力が備わっていたのは間違いないですが、並外れた成功は、他でもない彼らの決断がもたらしたものでした。

人間、殆どは個々に大きな差はないといいます
ダンブルドア校長のこの言葉は、真理でもあり…
多くの人を励ます、まさに魔法の言葉だなと思います!

「決断は自分の手の中に」

アレックスは締めくくります。

みんな自身が決断し、その小さな決断によって人生を大きく変えることが出来る。

みんながそうしているから何となく行列に加わり、ファーストドアの前で待つのも自由。
行列から飛び出して裏道を走り、サードドアをこじ開けるのも自由。

誰もが、その選択肢を持っていると。

アレックスは可能性を信じたことで、人生を変えることが出来ました。
そして可能性を信じられる人間になることで、可能性を広げることさえ出来るんだ、と。


また、巻末の謝辞においては、アレックスに数えきれないくらいの協力者がいたことが解ります。

ひたむきな彼のようであればこそ、サードドアから手を差し伸べてくれる人や、背中を押してくれる人も、自然と集まってくるのかもしれませんね。

僕もインサイドマンやメンターについて、今一度考えてみようと思います。

サードドアを叩いてみること

今回は後編ということで、長々と本筋を追ってしまいました。

繰り返しにはなりますが、本書の約500ページには、数えきれないほどのヒントが収められています。

なので、まずは手に取っていただいて、自身の目で確かめ、触れ、咀嚼してみてほしいなというのが正直な感想です。

ただ、手のひら返しのように思われるかもしれませんが、殆どの人は読んでも変わらないかもしれません。

何故なら、本がどうということではなく、それが自分自身の問題であり、多くが読んで満足してしまってやらないといったことが考えられるからです。

それは逆説的に「99%の人がファーストドアに並ぶ」ことの証明にもなります。

とはいえ、本書がきっかけや後押しになるのは間違いないです!

普通の人生を歩み、普通に就職して、普通に結婚して…といったファーストドアでも大いに結構、立派ですし間違いじゃないと思います。

ただその道に、その解答に、違和感を感じることが出来た人だけが、本当の意味での成功者のスタートラインに立てるんじゃないでしょうか。

(僕のように)いい歳した人がやったら「常識がない」「無理無理」と一蹴されて恥をかくだけかもしれませんけど。
それも当然、サードドアを行く者の宿命、ファーストドアの人間は少なからずサードドア側の人間に対し、やっかんでくるものですから。

最後に。
この本を手に取ったのは、声優に対するサードドアというブログ記事の構想がきっかけでした。
書籍自体のレビューや名前を知って、読んだわけではなく、あくまで自身の心の内のキーワードから逆引きして辿り着いたものです。

そして、本をあまり読まない僕ではありますが、この素敵な本に出逢うことができました。

それは、思い切ってブログを始めたことがきっかけでしたし、ある意味一つのサードドアを叩いてみた結果なのかもしれませんね。

あなたもサードドアを見つける一歩を踏み出してみませんか?


といったところで。

Bonne soirée! ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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