Bonsoir! 川古です。
初夏の蒸し暑さがコンニチワしてきた今日この頃。
外出する機会が増える方も多いと思いますが、移動中の音楽は良いものです。
そうでなくとも、音楽を聴く人にとってDAPやイヤホン・ヘッドホンは必携アイテムですよね。
僕は愛用のピヤホン5もフィルターを紛失したり落下してしまったりで、そろそろ買い替えてもいいかも…
といった感じで、ついに昨年2022年12月23日(金)に発売となった“ピヤホン6”こと「TE-Z1PNK」を購入しました!
私事ですが、合わせてSONYのウォークマンも「NW-A100」シリーズから「NW-A300」シリーズへ新調したため、最強のリスニング環境が整いました(最強には遠いですが…)
相変わらずのハイクオリティサウンドを提供してくれるピヤホンシリーズですが、今回はこの新しい愛機について触れてみたいと思います。
同時にやはり気になった部分も結構ありますので、購入を検討している方は参考の一助にしていただると嬉しいです。
また過去に触れたピヤホン5こと「TE-BD21j-ltdpnk」については、以下の記事でレビューしていますのでよろしければご覧ください。
個人的な結論としては…
新しめのハイエンドモデルを使用しているなら不要
ハイエンドでもやや古めのモデルを使用しているなら買い
です。
ピヤホンは凛として時雨のピエール中野さん監修のイヤホンだよ
小島よしおさんは関係ないよ、ピーヤ!
「TE-Z1PNK」について
日本初のオーディオブランドでお馴染みの「AVIOT」よりリリースされた、ピエール中野さん監修のTWSで、通称“ピヤホン”。
ロックバンド「凛として時雨」のドラムスとして有名なピエール中野さんが完全監修しているということで話題ですよね。
そのシリーズ最新となるフラッグシップ機、ピヤホン6に当たるのが「TE-Z1PNK」になります。
僕は歴代のシリーズもいくつか使用してきており、数えてみたところピヤホン自体は4台目。
勿論、前モデルとなる「TE-BD21j-ltdpnk」も愛用しており、そのハイスタンダードな音質と拘りのクオリティに圧巻されてきました。
本機においては更なる進化を遂げていますので、その特徴について次の項で確認してみましょう。
特徴
「TE-Z1PNK」の注目すべき特徴は以下のとおりです。
・お馴染みピエール中野氏がモデルのベースから監修
・ダイナミック型+平面磁気駆動型の「コアキシャル2wayドライバー」
・4基のマイクによるハイブリッドアクティブノイズキャンセリングを採用
・ついに最強コーデックLDACに対応でハイレゾがより楽しめる
・アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」の進化したオリジナルボイスガイダンス
■ピエール中野氏が一から監修したオリジナルデザイン
これまでのピヤホンシリーズは、軒並みベースとなるモデルが存在していました。
(例えばTE-BD21j-ltdを基に独自のカスタムが施されたのが「TE-BD21j-ltdpnk(ピヤホン5)」)
しかし「TE-Z1PNK」は基となるモデルが存在せず、一から生み出された完全オリジナル。
ピエール中野氏らしいブラックとゴールドのクールな色合いで従来のモデルを踏襲しつつ、ペアリングや充電時に発光するライトは「PSYCHO-PASS サイコパス」をイメージしたサイバー感溢れるデザイン。
更に大きなポイントとして、カスタムIEM(イン・イヤー・モニター)の形状が採用されていることが挙げられます。
これにより装着の安定感と音場体験の両立が実現した、いわば究極のピヤホンとなっています。
■新設計のコアキシャル2wayドライバーを採用
複数のドライバー搭載のハイブリッド型により精細な表現を可能にしてきたピヤホンシリーズ。
本機では一般的なハイブリッド型のドライバー構造と異なる、一体型コアキシャルドライバーを新規開発。
それがダイナミック型+平面磁気駆動型の「コアキシャル2wayドライバー」。
二基のドライバーの音の出口を限りなく近くし、同軸上に配置することで低音域と高音域の位相差を最小化し、安定したレスポンスを実現したとのこと。
複雑ですが要はハイブリッド型で間違いは無さそう
コアキシャル…強い(小並感)
■新開発のノイズキャンセリング機能を搭載
AVIOTとピエール中野氏が、音質の追求とノイキャン性能を両立させるため、独自のアルゴリズムを新開発。
計4基のマイクによるハイブリッドアクティブノイズキャンセリングと、物理的に環境音を遮断するパッシブノイズアイソレーションの組み合わせで、広帯域におけるノイズの低減が可能です。
※専用アプリで“音質優先モード”と“ノイズ抑制優先モード”で切り替え可能(出荷時は音質優先モード)
■LDAC対応によりワイヤレスでハイレゾ体験
ついに現状最高品質と言えるBluetoothコーデックであるLDACに対応。
現状ワイヤレスでLDACのハイレゾ音源を楽しめるのはSONYのWFシリーズ等、数が少ない状況です。
今回LDACに対応したことで、モデル本来のパワーに加え他機種には無い大きな強みとなりました。
※LDACはソニー株式会社の商標
■新規録り下ろしのボイスガイダンスの追加も
「PSYCHO-PASS サイコパス」とコラボしたボイスガイダンスはピヤホンの特色の一つ。
本機ではデフォルトでお馴染みの常守朱(CV.花澤香菜さん)を含め、合計三種類のボイスを起用。
アプリ「AVIOT SOUND ME」を用いれば、新規録りおろしとなる、狡噛慎也(CV.関智一さん)、ドミネーター(CV.日髙のり子さん)のボイスへと変更が可能で、ドミネーターに関してはイヤホン左側パネルを1.5秒長押しすることで、ランダムでスペシャルボイスが再生されます。
僕はアプリを使用しないので、ずっと常守朱です(笑)
サイコパスは好きですし、ファンにとっては嬉しい遊び心ですよね
■基本スペック
・ドライバー:コアキシャル2wayドライバー構成
(10mmダイナミック型ウーファー+平面磁気駆動型ツイーター)
・通話用マイク:高性能MEMSマイク
・バッテリー容量:イヤホン:60mAh / チャージングケース:400mAh
・通話時間:最大3時間
・連続再生時間:約7時間 (チャージングケース併用時:約18時間)
※使用コーデックや環境により変化
・イヤホン本体の充電時間:約1.5時間
・チャージングケース充電時間:約1.5時間
※約10分の充電で最大60分再生可能な急速充電
・充電ポート:USB Type C
・防水性能:IPX4相当
・公式価格:¥39,600(税込)
・発売日:2023年12月23日
■Bluetooth規格
・対応コーデック:AAC,SBC,LDAC
・対応プロファイル:A2DP,AVRCP,HFP,HSP
・Bluetoothバージョン:5.2
・マルチポイント:2デバイス
・マルチペアリング登録可能数:8デバイス
評価と所感
パッケージはこんな感じ。
裏側にはお馴染みのバイブス君が描かれていますね(毎回メッセージが違う)
イヤーピースはシリコンとウレタン製の物が付属しており、サイズはシリコンがSS/S/M/L、ウレタンがS/Mと1ペアずつ用意されています(シリコンMサイズはイヤホンに元々装着済)
チャージングケースのケース、これの印字はすぐ禿げそうに予感がするので、これまでの掘り込み型の方が良かったかも。
チャージングケースの表面はマットな仕上げで手触りも良く、高級感があります。
写真では見えませんが、後ろ側にはUSB端子とリセットスイッチもあります。
筐体が少し取り出しにくいので、奥のイヤーピース辺りを押し込むようにすると楽ですね。
レビュー(5段階評価)
満足度 :★★★★☆ 4点
高音の質:★★★★☆ 4点
中音の質:★★★★☆ 4点
低音の質:★★★★☆ 4点
細やかさ:★★★★☆ 4点
迫力 :★★★★★ 5点
音場 :★★★★★ 5点
遮音性 :★★★★☆ 4点
音漏耐性:★★★★☆ 4点
利便性 :★★★☆☆ 3点
驚いたのは、他のレビューでも見かけましたが高音の輪郭がプッシュアップされたこと。
ピヤホンと言えば低音に定評がありますが、どちらかと言うと高音にフォーカスしたカスタマイズに感じました。
これによってピヤホン5に欲しかった高音の伸びを獲得し、更にドンシャリ寄りとなった印象。
全体的な迫力の向上と音場も広く感じられ、とりわけロックサウンドにマッチすると思います。
ただ先述のコアキシャル構成の恩恵か、音の分離間が増しておりハッキリと鳴らしてくれるため、帯域による偏りが生じたというよりは「更に高水準での良質なバランスがもたらされた」といったところ。
強いて言うなら煌びやかな高音が刺さると感じる人はいるかもしれません。
この辺りはエイジングを重ねればマイルドになってくると思いますし、ジャンル問わず広く楽しめますね!
メリットとデメリット
基本が優秀である反面、残念な部分も目立ってしまうのは正直なところ。
(「TE-BD21j-ltdpnk」の完成度が高かっただけに、デメリットは少し辛口かもしれません)
以下で双方について触れてみます。
メリット
・TWS最高峰の音質レベル
音の良し悪しはイヤホン本来の用途であり、最も着目すべきところ。
その点、ぶっちゃけ並みの有線イヤホンは軽く凌駕する音質です。
無線でこれだけの音を鳴らしてくれるならもう十分です、という。
現在のリスニング体験は10年前なら考えられないところまで来てしまった…。
前作の「TE-BD21j-ltdpnk」で既に満足のレベルでしたが、LDACにも対応し、音に関しては限界突破した言わば“ピヤホンの極致”。
これで駄目なら、他のTWSでは妥協の二文字が付いて回るかもしれません。
・「PSYCHO-PASS サイコパス」&凛として時雨
監修のピエール中野氏がドラムスを担当するバンド「凛として時雨」が、アニメで主題歌を担当したことから縁のある「PSYCHO-PASS サイコパス」。
今回はお馴染みのボイスガイダンスも新規追加あり、デザインも世界観にマッチする仕上がりになっています。
純粋にデザインだけ見てもファッションを選ばない洗練された造形美。
特にコラボ商品というわけではありませんが、「「PSYCHO-PASS サイコパス」」もとい、リンシグファンの方にとっては、他にはない付加価値となるでしょう。
デメリット
・タッチセンサーについて
これは好みによりますが、タッチセンサーの感度や操作感について合わない人はいるでしょう。
本機もピヤホン5程ではありませんが、筐体の半面がマイク部分になっているため、押せている感が若干薄いです。
またピヤホン5ではタッチ操作音が鳴っていましたが、本機では鳴りません。
感度こそ向上したものの、この辺り含めレスポンスに使い心地の悪さを感じている人は存外いるのではないでしょうか。
タッチタイプはスタイリッシュですが、何気に僕自身物理ボタンの方が好きだったりします。
皆さんはいかがでしょうか。
・コスパと造形について
僕はポイントで安く買いましたが、公式価格で約40,000円となる本機。
ピヤホン5でも20,000円台、10,000円以上の値上がりは必然軽視出来ない数字ですよね。
それでいてTWSという点、消耗品としての側面も無視できないことから、この価格をどう見るか。
相変わらずフィルターが薄っぺらいメッシュを貼り付けただけのような形なのも気になります。
ここは使っていくうちに解ってくると思いますが、従来のピヤホンから掃除をする際に簡単に剥がれる⇒修理依頼ということが何度かありました。
ここの材質というか作りはなんとかならなかったのでしょうか。
それと充電ケースのインジケータランプが内側にしかないため、充電状況が解りづらいです。
勿論、性能自体は素晴らしいですしデザインも良質なのですが…
それなりのお値段がする以上、日常使いのことを考えた設計が望ましいですね。
・機能周り(ノイズキャンセリングとボイスガイダンス、対応コーデック等)
ますボイスガイダンスについて、音質が籠っておりピヤホン5から明確に劣化しています。
正直最初聴いた時「え?」て思いました(笑)
折角声優を起用しているのですから、ここはアップデート等でしっかりしてほしい部分です。
そしてノイキャンについては、正直効果が薄いと感じました。
というのも、どうしてもSONYのWHやWFシリーズの業界最高級ノイキャンと比較してしまう点にもあります。
また普段大きめの音量で聴いているので、そもそもリスニング体験としてのノイキャンにあまり魅力を感じないことに気付いたんですよね。
なので、個人的にはこの点を別のコストに割いて欲しかったなぁなんて思ったりします。
それとコーデックがLDACに対応したのは良いのですが、aptXに非対応となりました。
aptXはそれなりに対応機器が多いですが、LDACはまだ少ない印象。
当然DAP等の再生元もコーデックに対応している必要があるため、ここもネックだと思います。
加えて電池持ちがピヤホン5よりやや短くなり、マルチポイントだと接続が切れやすいといった報告があるのも気になりますね。
こうして見ると、音質以外では改善点が多いかも
言い方を変えれば、まだまだ高みを目指せるということですね!
・生産と体制について
ネットのレビューを見ていると、初期不良やアプリが使えない等の問題が散見されました。
(※アプリはアップデートにより解消したようです)
僕も実はイヤホンの片方の筐体に細かい傷があって交換してもらいました。
またレビュー然り、以前から触れていることではありますが、上記のような品質管理やサポートの体制に杜撰さを感じてしまうのは残念なところ(最近は知りませんが、昔は修理依頼から戻ってきた商品の入れ方、向きが逆でゴチャゴチャだったことがあったり、連絡が遅かったり)
企業として比較的新興の様子のため、マンパワーの問題等もあると予想しますが…この辺りの不安定さはブランドの信頼に繋がってきますよね。
商品の質や企画は素晴らしく期待感も高いため、より研鑽していってほしいと願います。
余談ですが、僕がイヤホン・ヘッドホンを試す際は以下の楽曲をよく聴きます。
・「芽吹き / Rewrite ORIGINAL SOUNDTRACK」
・「二言目 / 歌物語-<物語>シリーズ主題歌集-」
・「APOCALYPSIS NOCTIS / FINAL FANTASY XV Original Soundtrack」
めちゃくちゃ趣味丸出しですが(笑)
何となくですが、使用している楽器や音域のバランスや空気感を感じやすいんですよね。
あなたはどんな楽曲でイヤホンの性能評価をしていますか?
進化を続けるTWSの世界
ピヤホン6「TE-Z1PNK」について改めてまとめると…
■オススメできる人
・とにかく良い音かつTWSで音楽を楽しみたい
・LDAC対応の再生機器を持っている(必須)
・「PSYCHO-PASS サイコパス」や凛として時雨が好き
■オススメできない人
・既に最新のフラッグシップモデルを使用している
・なるべく安価に抑えたい
こんなところでしょうか。
いやしかし、正直本機は沼の領域で安くもないため、それなりに良い音で聴ければ問題ないという人には不要かもしれません。
昨今TWSの進化も目覚ましいので、どんどんブラッシュアップされたモデルや、ピヤホンにしてもより無駄のない新作が出てくると思われます。
イヤホンも消耗品…。
使用頻度が多ければ消耗も激しくなりますから、特に有線と違ってリケーブル等の概念がないTWSは買い替える機会も増えるかもしれません。
でもそれって、ある意味新たな出逢いの楽しみもあるということ。
今後更なる進化を遂げたニューカマーに期待しつつ、もっと音楽を楽しんでいきたいですね!
最後に余談ですが、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」と言えば、新作が2023年5月12日(金)に公開になりますよね。
こちらも善悪の倫理観や正義について考えさせられる、超絶クールなサイバーパンク作品となっていますので、興味がある方は是非観てみてください!(多分、今はアニメ一期から色んな某サブスクの配信サイトで観られると思われ)
というわけで、自身の犯罪係数が高くないことを祈りつつ。
Bonne soirée! ここまで読んでいただき、ありがとうございました。