【重要】活躍する声優になるために【三大要素】

声優

Bonsoir! 川古です。

依然コロナウイルスの影響は続いており、声優業界も多大な煽りを受けていると聞きます。
特にこれから目指す方は本当に大変な状況だと思います。

今回は、活躍する声優になるために重要な要素を、おおまかに三点解説してみます。

どっぷりな方もこれから目指す方にも、心得ておくべき内容かと思いますので、是非ご参考いただけると嬉しいです。

当たり前のことしか言ってないように見えるかもしれませんが、そういったものほど失念していたりするものです。

僕にとっても、持ち合わせていないものばかりですので、鞭打って綴る所存です。

力なき正義は無力!

深い意味はありません(言ってみたかっただけ)

活躍する声優になるために

結論として、最も重要なものは以下三つです。

1.クライアント
2.個性
3.環境

繰り返しになりますが、当たり前のことしか書いていなかったりします。
でもそれってシンプルに見方次第で、問題は「当たり前のことに手が届かない」ことなのではないかなと。

順番にみていきます。

1.クライアント

お金を支払ってくれる人であり、仕事を依頼する人であり、仕事の根幹になるものです。
声優に限らずですが、これが全てといっても過言ではないかもしれません。

仕事の成立に不可欠

声優は多くが下請けとなる個人事業主。
そのため、一般的な会社での給与とは違い、上から降ってくるわけではありませんし、依頼する人がいなければ仕事が成り立ちません。

制作会社
制作会社

「〇〇を映像化するから、この役の声をやってほしい」
「ドキュメンタリーのナレーションをやってほしい」

こうした依頼が必ず発生しますよね。

何かに「出演する」多くの場合は、依頼する団体や企業を介してお金をいただくことが多いはず。
場合によってはビジネスで言われるB to Cのように、消費者から直接的に収入を得るというパターンもあると思います。

いずれにしても、前提として仕事である以上はこのクライアントが必須になります。

このあたりは、若い方や、順調にプロダクションに所属してプッシュされている境遇の方は気付きにくかったり、考える機会があまりないのではないかと思います。
何故なら、マネージャーさん等に後押し、斡旋されてオーディションや仕事に巡り合う機会が多いため、直接的に示談しているわけではないからです。

いかにコネクションを作るか

そして、いかにクライアントとコネクションを作るかが鍵になります。

コネというと、何の努力もしていないみたいで聞こえは悪いかもしれませんが、言い換えればコネ=信頼です。

コネとてスタートは0であり、そこから積み上げた結果が形になります。

例えば、任天堂は元々は花札等のメーカーでしたが、ゲーム会社として不動の地位を築いたのは、マリオという世界的に愛されるキャラクターや作品を生み出したからですよね。
そこには、相応のアイデアや努力があったはずです。

あなたがもし仕事の依頼をするとしたら、どうでしょう?
よくわからない人間に頼むよりも、見知った人や世間で評判の良い依頼先を選びますよね。

然らば声優も、クライアントに信頼してもらうための結果を出すしかありません。

「この役やってる〇〇さん、いいね。次の現場にも呼ぼう」
「~に出演してた方、魅力的だから是非この役に起用したい」
「〇〇がいれば大体安心して任せられる」

仕事を続けていくためには、こうした信頼をいかに勝ち取れるかが鍵になります。

よく、大手プロダクションから独立してフリーになる有名声優さんがいらっしゃいますよね。
このケースは、独立したほうがメリットが多いからこそ成立する場合がほとんどです(勿論例外もあると思いますが)

しかしそれは、プロダクションの後ろ盾が無くなるということ。
なので、在籍期間中に個人でもやっていけるだけの仕事の伝手、つまりコネクションとなる信頼を得られたかどうかの証左でもあると思います。

お金に限った話ではない

クライアントに限定した話ではありませんが、人脈という意味でのコネクションも大事でしょう。

直接的な収支とならなくても、同業者や知人からの紹介や斡旋もあるかもしれません。
そこからまた新しい情報やコネクションを得られる可能性もあります。

そうした意味では、何も業界に限らず多くの方と信頼関係を築いておけることは大切だと思います。

また、声優を続けることの厳しさについては以下の記事でも触れていますので、是非ご覧ください。

こうした無意識下で当たり前と思ってしまうことほど、忘れがちですよね。

2.個性

声優はもはやタレントであり、タレントはいわば己が商品。
そして商品には、魅力となる個性が必要です。

一言に個性といっても、先天的なもの、後天的なものなど様々です。

演技力と声質

まず前提として、必要不可欠な要素です。
同時に、高低や優劣で決められるものではないとも言えます。
また、状況によって求められるものは異なってきます。

ただし、「演技」と「声」は、言うまでもなく声優として仕事をする上での最たる武器になります。

演技力はスキルであり後から身に付けられるものですし、声質は生まれ持ったものなので大きく変えられるものではありません。

演技はセンスという才能が大きく関わってくる部分になりますが状況に応じて求められるレスポンスが返せるかどうかが要です。
ここを押さえられていればそもそも苦労はないのですが…めちゃくちゃ重要なことなのでリストアップしてみます。

・音響監督やクライアントの「こうしてください」という指示に、いかに応えられるかどうか
・あなたがやりたいことや癖、自己主張を表現と履き違えない
・見た人や聞いた人が納得するリアリティが出せるかどうか

仕事として依頼されている以上、先方の要望を最優先に考えることは大事です。
そして、現場や人によって求められる要素は異なってくるため、臨機応変に対応する柔軟性が必要です。
また、たとえ想像や理解が難しくても(場合や関係性によってはありですが)基本的には自分の主張を出すのはリスキーです(但しハラスメントとかは別問題です!)
「こうやりたいから」というのは、指示があれば別ですが、ご法度であるという認識は持っておくべきでしょう。

上記をふまえた上で、触れた人が納得するクオリティになっているかどうかは常に持っておきたい視点です。
このあたりはリアリズム云々とか演技論の話になってしまいますが、要するに「そうであると錯覚させられたら勝ち」です。
(それらを成立させた上で、個々人のやり方や味が出ていれば必然個性となります)

例えばアニメで「ええぇぇぇ!!」と驚くシーンがあったとします。
そのままリアルでは表現になりませんし、やりすぎたら嘘っぽく見えてしまいますよね。
でも、違和感なく見られているとしたら、それは「実際にはそんな声は上げないけれど、本当みたいに見える」ということです。

今回深くは書きませんが、この嘘っぽさを絶妙に演じ分けられている人は、お芝居の上手な人だと思います。

また、声質についてもとりわけ重要です。
このあたりはどうしようもない部分ですが、声のイメージでキャスティングされるというのは事実としてあるでしょう。

美少女役に声のしゃがれた人が第一に採用されるでしょうか…
くわえタバコのダンディなガチムチ系ギャングに、好青年のような瑞々しい声の人が声を当てるでしょうか

それはそれで味があるのですが、適材適所というものはあります。

因みに、造詣が無い人ほど声の良さばかりに気がいきがちだとは思いますが、一周回ってやはり声質は大事だなと考えている今日この頃です。

だって声優は、「声」が「優」れているわけですから。

現に活躍されている方やベテランは、誰が聞いても、この人だと解るような特徴的な声をされていらっしゃる方は多いと思います。

また、オーディションのボイスサンプルなども、声の雰囲気だけ聞いているケースが多いと聞きます。

アイドルに見た目が重視されるように、客観的に見て、悲しいかな無視できない側面ですよね…

キャラクターと性格

性格や人間性の良し悪しは必ずしも演技や表現に直結はしませんが、大きく関連する要素です。
また、この場合のキャラクターにはルックスも含まれます。

例えば、日常から性格が柔和なイメージのある人は、優しい性格のキャラクターに合いそうだと感じますよね。

ルックスにおいても、外画のキャスティングで、実写の俳優さんと見た目や骨格が似ているからといった理由で起用されるケースもあるそうで、実際姿形が似ている人は出す声の音も似ていることがあるようです。

そして先述のクライアントや依頼にも関わることですが、もし同じ実力がある人が二人いたとしましょう。

A.そこそこ上手い性格が悪く嫌味をよく言う人

B.そこそこ上手い性格も良くとても親切な人

あなたが仕事を依頼するなら、シンプルにどちらを選ぶでしょうか。

きっと、ほとんどの人はBさんを選びますよね。

こうしたことは、性格だけでなく容姿、人間性でも少なからず影響してきます。
少しくらい芝居が下手でも、ウィットに富んで場が和やかになる人がいれば、現場にとっては有益です。

僕はそれをズルだとは思いませんし、立派な能力だと考えています。
究極「この人と仕事したいと思うかどうか」ということではないでしょうか。

声優とは、あくまで声で表現する世界ではありますが、それは演者や表面上の話。
コンテンツは人が作るものですから、良くも悪くも、下地となる制作やキャスティングにおいては留意すべき点です。

そして同時に、昨今のムーブメントとして、人気声優は表舞台に立つ機会が増えていますから、商品としては必然的にビジュアルや性格も人気の出る要素を兼ね備えている方が強い。

まあそうは言っても、変えられなかったり、難しい部分もあると思います。

でも、人に好かれるキャラクターであった方が、有利であるという事実は心得ておくべきでしょう。

3.環境

声優を続けていくためには、都度チャンスをものにする必要があります。
チャンスをものにするためには、個を磨く必要があります。

しかしそうなってくると、前提として、その個を見つけてもらう必要があります。

事務所/プロダクション

声優を志す人と同様に、芸能関係の事務所は多数存在します。
しかし、その中でも広く認知されていたり、活躍する声優やナレーターが在籍する事務所は限られてきます。

個性の項目でも例を挙げましたが、クライアントが仕事を依頼する時、どういった心情があるでしょうか。

まずは、有名且つ大手から、実力や人気のある人や団体に声をかけないでしょうか。
勿論、限られた製作費の中で、いかに安価で安全に起用出来る声優を探すかという部分が肝になったりする場合もあると思います。

ただ、飲食業界で例えるなら、食材はきっと信頼のある卸先と契約したり仕入れをしますよね。
冒険してよくわからないところに受注したりする機会は少ないはずです。

厳しいですが、無名や半端ものに入り込む余地はありません。

なのでいかに声がかかる環境に身を置けるかは、仕事を得る上で最重要事項であると言えます。

例え優秀なスキルを持っていても、見つけてもらえなければ、候補に挙がらなければ意味がない…

だからこそ、正攻法、常套手段として、大手事務所に在籍したい&入れなければ意味がないと考えるのは、現状から考えると条件といってもいいのかも…
勿論、優秀な人は見つけてもらえたり、後々大手事務所に移籍するといったこともあるようです。

また少し反れますが、スタジオが都内にあったり等、基本的に最たる声優の仕事は東京都内で行われます。
そのため、インターネットが普及した現在とは言え、物理的に地方にいらっしゃる方は継続が困難だと思います。

運がいいというのも、置かれている環境に依存するところが大きいのかもしれませんね。

チャンスの獲得については僕自身「ビッグウェーブが来た時に上手く乗りこなせるように、備えて鍛錬しなければならない」と波乗りに例えて教わったこともあります。
しかし、海岸という土俵に行けなければ、そもそも波を見ることすら出来ないですから。

生まれ持ったもの

個性の内容にも含まれますが、生まれつきのルックスや声質、センスはかけがえのないものです。

そしてその他にも、取り巻く環境が元々有利に働くことだってあります。

声優に限らずですし、実名を出すのは控えますが、親が有名人であったとか、知り合いに事務所の社長がいる、だとか。
所謂芸能界における二世なんていうのも、本人が希望するのであればこれ以上ない助力となりますよね。

こうした運命のようなものは、ズルをしていると思われたり、嫉妬の対象になることもあるでしょう。

けれども、世の中も人間も、残念ながら不平等です。
環境だって見方を変えれば武器となる才能ですし、使えるものはどんどん使うのが吉だと思いますけれどね。

あなたにしかない生まれ持った才能だって、きっとあるかもしれないですよ!(無責任)

魅力のある人間でこそ

今回のまとめです。

・仕事をするにはまずクライアントが必要
・商品として価値ある個性が大事
・現場に近い有利な環境に身を置く

仕事を続けていくには、上記の事がまず大切というお話でした。
勿論これだけではないですし、その他にも気にしなければならないことは様々あると思います。

ついぞ声優業界が特殊だと考えてしまいがちですが、どういった場合でも、魅力のある人間には自然と人が集まってきます。
意識しなくても、気づけばとんとん拍子に環境が整っている人もいるでしょう。

それでも厳しい業界ですから、継続するためには日頃から意識しておかなければならないことが多いように感じます。

また、昨今はソーシャルディスタンスの影響で、スタジオにおけるまとまった収録ではなく、別録りの機会が増えています。

そんな中、これまでバレなかった表現力の粗さ等が目立つようになり、出来る人、出来ない人の差が浮き彫りになってきていると聞きます。
結果として、仕事が減ってしまうという恐怖はつきまとうでしょう。

そこに若手ベテランの違いはありません。
コンテンツを成立させるということ、仕事や期待に応えるということについて、考えていきましょう。

自分には足りないものばかりで心苦しいですが…
前向きに考えている方は、一つの考え方や指標にしていただければ幸いです。

そしてマネージャー様や関係者各位、もしご興味を持っていただけたら、是非お問い合わせフォームよりご連絡をお待ちしております!(切実)


Bonne soirée! ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました