Bonsoir! 川古です。
光陰矢の如しとはいいますが、時が経つのは実に早いものですね。
小学校の6年間を非情に長く感じもしましたが、成人してからの6年は本当にあっという間です。
瞬間移動されたった感がハンパないです。
そういえば、2022年4月から成人の年齢が20歳から18歳に引き下げられますが、改定としては約140年ぶりのことらしいです…すごい。
ちなみに年をとると時間の経過が早く感じるのは、幼いころにあった日常の発見がなくなり新鮮味がなくなるから、という科学的根拠があるらしいです。
嫌なことほど長く感じたりもするというのに…なんというクロノスタシス?
なるほど、わからん。
それはさておき、みなさんは年をとることについて、どのように感じますでしょうか。
僕はというと、正直なところ怖いです。
幼少の頃にはよく「早く大人になりたい」なんていわれるものですが、それはあくまである程度までの話。
生物的には、基本的には出来ることが減っていってしまいますから。
(逆に出来ることが増えると思われるかもしれませんが、それは加齢ではなく「経験が増えた結果に起因する」と言えるでしょう)
あえてネガティブに捉える必要はありませんが、フィジカルにもメンタルにも関与するのは間違いないですよね。
そして声優をやるということにおいても、それは無関係ではありません。
本記事では、声優と年齢の関わりについてまとめてみました。
結論、声優に年齢はかなり影響します。
声優における年齢の影響
まずここでの焦点は「年齢を重ねると声優になりづらい or 続けにくくなる」という部分です。
そして大前提として、全てのものごとにおいて年齢は大事ということを念頭に置いていただきたいです。
個人的に、声優という職業を良くも悪くも特別視し過ぎるきらいがある人は相当数いると思っているので…
その上で、少しだけ絞ってみていきます。
おおまかにカテゴリ化すると、以下の三つが大きいんじゃないかなと思っています。
- ニーズによる影響
- 倫理や文化的な影響
- 身体的な影響
ニーズによる影響
まず、現在のムーブメントにおいて求められる声優像によるものです。
消費者やファンのニーズに関しては、ルックスに関する以下の記事でも触れさせていただきました。
声優は声に特化した役者ですから、本質的な要は、声のお芝居を成立させることにあるとは思います。
ただ、現状生業として生き残っていくためには、上記に加え多才さが必要になってきているように感じます。
これは良い言い方では「多方面でエンタメを提供出来る」、悪い言い方をすれば「色んな形で儲けられる」ということです。
商品として見た時に魅力があるかどうかがポイントで、その中には年齢も含まれてきます。
タレントやアイドル的な売り方をする場合は、どうしても若さやフレッシュさを求めざるをえません。
そして非情なことですが、この点については特に女性において重要視される傾向があります。
若いという概念や見られ方は線引きが難しく、人によっては諸説ありますが「25歳以上はおばさん」とか「20歳超えたら遅い」とか。
厳しい言い方になってしまって恐縮ですが、ただ本人が望んだとして、売る側やファンが許容してくれるとは限らないという点は覚悟をしておいて方がいいでしょう。
男性については限度はありますが、女性に比べるとある程度寛容といいますか、年齢を重ねていても通用する場合はあります。
このあたりは生物学的な要因があるので、致し方ない部分はありますが…
ただ総じて言えることは「早い段階で人気になれなければ厳しい」というところだと思います。
倫理や文化的な影響
こちらも非常に根強く、ある意味第一要因といってもいいかもしれません。
繰り返しになりますが、年齢は全てのことにおいて大事な要素です。
声優に限らず、人が生きる上であらゆる場面で考慮され、社会やコミュニティで避けられない指標の一つです。
また、不平等で理不尽な世の中において、数少ないある程度平等な概念の一つでしょう。
ただ年齢による評価や条件は、単なる差別や贔屓ではなく、理論的な観点から正当性があるものとも言えます。
要は「年を取ると色々めんどくさい」といった感じでしょうか…。
年齢に関する具体的な弊害・評価・判断の一例は以下です。
・養成所の応募年齢制限(30歳以下 等)
・オーディション対象の年齢制限
・一般企業の新卒採用枠の設置
・中途採用含め、年を重ねると相応のスキルを求められる
・年功序列や、新人が年上で先輩が年下だとやりにくい
・年(=経験)を重ねると、下手なプライドや固定観念が生まれるので仕事しづらい
・まっさらで若い人の方が教育しやすい
このように、悲しいかな、基本的には人は「加齢によって扱いがめんどくさくなる」と見られる風習があります。
上記の考えや実例について、心当たりがある方は多いんじゃないでしょうか。
事実、頭が固くなったり思考の柔軟性が失われてきたりしますし。
そのため年を取ると、控えめにいっても可能性が減少していきます。
もちろん、能力が高ければその限りではありませんが、見られるハードルが結構高いように感じられるんですよね。
声優についても苦しい話で、年齢制限で挑戦が出来ないケースは非常に多いです。
また、特にアニメは作品自体にオーディション対象の年齢制限があったりします。
(知り合いや同期には年齢を偽っている方も実際にいました)
実際の運用や背景は個々のコミュニティによって異なるでしょうが、年齢にひっかかって色々出来ないというのは、後述の身体的な影響も相まって世界的な基準でもあるように思います。
本来、新人=若いという概念や、そうでなければいけないルールはないはずなのですが…使われる立場である以上、マジョリティではどうしようもありません。
とりわけ日本国内では、文化的に年功序列や同調圧力が根強いですから、年齢に苦しめられる人は多いように感じます。
ある種日本の闇な気がしますね。
身体的な影響
これは年を取ると身体能力が低下する、という普遍的な問題です。
当たり前ですが、人間といわずとも生物はある程度以降は加齢によって身体的に衰えていきます。
よく20歳以降はもう細胞分裂が止まって下降していくとか言いますよね。
これにより、肉体頭脳の労働種別を問わず、通常出来ていたことがやりにくくなったり、出来なくなったりするので、そのあたりも影響して活動に支障が出たりすると思います。
(とはいえ、ある程度高齢にならないと極端な不便を感じることはないかもしれませんが)
物覚えが悪くなったり、疲れやすくなったり。
いや年齢は関係ないでしょ!そんなのは個人に対しての偏見だ横暴だ!
と、僕も以前は思っていたのですが…実際観察していると、あながち間違ってないなと感じることが多いんですよね…
ただ声優、というより芝居や表現において、この点については単にマイナスなことばかりではありません。
というのも、歳を重ねると声帯や声の変化、精神的に成熟してくる等の理由から演技の幅が増えたり、味が出る場合があるからです。
それにより、老け役がハマるようになったり、いってみれば可能性が広がります。
よく若い人が無理に老年の役をやっていて、不自然に感じたことはありませんか?
(声の場合、実際やってるかは表面上では判断が難しいですが、明らかに若い人がやってるなと感じたり)
そのあたりは年齢高い=大ベテランみたいな構図になってしまう等、キャスティングやギャラ事情が絡んできますが…
また逆に、若くてもシブい声の人や、妙齢でも若々しい人もいらっしゃいますよね。
声優は俳優と違って、ある程度年の差があっても役を演じられるのが魅力の一つです。
また長い時間生きているということは、その分経験が多いということにもつながりますし、表現において経験というのは財産です。
(何事も経験、という理論には個人的に少々異を唱えたいですが)
生物的に劣化していくのは避けられなくても、訓練によって維持したり、新たな魅力が身に付くといったメリットもあるといえるのは幸いですね。
年齢は人類共通の敵であり友である
今回はとりわけ自戒の意味合いが強いものとなりましたが、まとめです。
・年齢が重要視されるのは文化的な背景が大きい
・年を取ると扱いがめんどくさいと思われる
・加齢によるデメリットはあるがメリットもある
若さというのは最強の武器です。才能と同じくらい、掛け値なく。
ただ声優業界に関していえば、存外その他の業界よりは縛りが緩い気がするのは救いかもしれません。
(全ての人に敬意をはらうべきですが、年齢より芸歴で見られたりもしますので)
ぶっちゃけ声優になるのに、資格もなければ、年齢も関係ありません。
とはいえ、声優には状況によりギャラのランク制度もありますし、長くやっているとその分出来て当然と思われることが多くなります。
年齢による影響って、やっぱり怖いです。
真に若い頃は全く感じないことかもしれませんが、年々実感してくることだと、青二才ながら感じています。
それは、年齢に伴った結果を出せていないことに対する後ろめたさだったりするのでしょう。
加齢は人類誰しも避けられないことであり、さりとて得るものも大きく、累積したものが力となることもあります。
そして継続は力なり、です。
良い歳の重ね方をしている人をみると、羨ましく思います…
年齢に関して、人それぞれ価値観もあると思うので、見てくれているみなさんの考えも是非知りたいところですね!
人は何かを辞めたり諦める時、殆どが年齢を理由にしている世の中で。
あなたは何を選択し、辞めますか?それとも続けますか?
それでは。
Bonne soirée! ここまで読んでいただき、ありがとうございました。