【声優】人間関係と環境について【養成所の注意点】

声優

Bonsoir! 川古です。

日々、著名な声優が新型コロナに感染したというニュースが目につきます。

色んな現場に行ったり、喋ることが生業の声優にとっては、とりわけリスクが付き纏う問題ですよね。

現在は専門学校等でも、授業の形態が変化し、授業を小分けにして実施するなど大変という話も聞いています。

コロナ禍に突入した折には「ソーシャルディスタンスとかあるし、まともに運営していけるのかな…」なんて思ったりもしました。

そんな養成所・専門学校について、前回注意点についてまとめました。

今回は、まごうことなきプロの恩師に実際に聞いた話や、体験を基に有益そうな情報や心得ておくべきことについて書きました。

環境によりけりではありますが、共感していただけること、後になって思い当たったこと等あると思います。

本記事も、あなた自身の活躍のために、一つでも参考になる内容があれば幸いです。

日本ナレーション演技研究所

人間関係について

養成機関も一つのコミュニティなので、多くの人と関わることになります。
マンモス校ならばそれだけ関わる割合も増えるでしょう。

全てが競争相手ではない

考え方によっても変わりますが、声優としての成功や結果を出すのは、あくまで「自分自身の問題」です。

とはいえ、イス取りゲームの如き競争の激しいことも事実ですし、僕自身ゼロサム市場の側面があると考えています。
ものすごい数の声優志望者がいると聞くと、その時点で滅入ってしまうかもしれませんね。

ただ、周り全てが競争相手と捉えるのはいささか気負い過ぎかもしれません。

この点については、自身の能力がどうかという部分を度外視出来ませんが、とどのつまり、心構えや個々の向き不向きが大きく影響してくるということです。

まずは心構えについて。

例えば、条件が緩いせいもあり特に専門学校に多いと思いますが、明らかにやる気のない人、見たことはありませんか?

これは僕自身の経験でもあり、専門学校で講師をされている恩師から聞いた話でもあるのですが、授業中に寝る人がいました。
バイトとの兼ね合いで疲労困憊でつい寝てしまった、という言い分もあるかもしれません…大変なのでしょう。

ただ「じゃああなたは、仕事の現場で自分の番以外の時は眠りこけますか?」という話になります。
プロとして論外ですよね。

それで演技が滅茶苦茶上手いというのであれば多少目を瞑られるかもしれませんが…そういう人は少なくとも見たことがありません。

また通っている人の中には「他にやることがないからなんとなく来た」人もいると聞きます。

そして問題は、態度が悪かったりやる気のない生徒に対して、専門学校の場合だと「生徒はお客様」なので講師も厳しいことを言えないそうなんですよね。
ただ、生徒側からすればあまり気にすることでもなく、こういった人は早々にリタイアして辞めていきます。

目的や理由は人それぞれとはいえ、有志で安くないお金を払って通うのですから色々勿体ないですよね…。

次に、向き不向き。

少々きついことを言いますが、そもそも才能が皆無で向いていない人も相当数いると思います。

自身の力量を測れないと難しい話ですが、ふるいにも乗らないレベルの人も一定数存在します。
(※これは優劣の話ではなく、数学は得意だけど英語は苦手みたいな、全ての物事に共通することだと認識いただければ幸いです)

勿論、専門学校で0からスタートするという方は出来なくて当たり前ということもあるでしょうし、気にしすぎるのは良くないです。
そして、意識を持って臨めばいくらでも変わるでしょう。

周りを気にしすぎて辟易してしまう人は「ある程度の水準も満たしていない人はいる」「全てがライバルではない」ということを認識してみてもいいかもしれません。

とはいえ、例えば僕自身も周囲を滅茶苦茶気にしますし、気にするなという方が難しいと思います。

昔養成所の所長に「周りを気にするな、自分のことだけ考えろ」と言われたことがあります。

事項にも関係しますが、僕自身辛い経験があり「一緒に頑張りたい」という思いが葛藤を生んだこともあります。

これがまた当時の状況に色々リンクしてしまって…

古風ですが、その言葉、マジでマジックで紙に書いて部屋の壁に一年貼っていました。

友達は作るな

これは恩師の一人から言われたことの一つです。
そして、10年前の僕に伝えたいことの一つでもあります。

「養成所で友達を作るな。プロになればいくらでも出来る」

僕自身、かなり共感させられた言葉ですが、これ、かなりキツいと感じる方もいるかもしれません。

ただ僕が添えたい重要な点は「目的を履き違えるな」ということです。

友達自体作るのは悪いことではないです。
あえて敵を作れと言っているわけでも決してありません。
(孤独であることは成功者理論に通ずるところはありますが)

全ての環境に当てはまることではないですし、それが高い志を持って進む、所謂同志や仲間であればいいのかもしれません。

ただ、自分はここに何をしに来ているのか、ということはゆめゆめ忘れてはいけない。
専門学校や養成所を普通の学校と同じ感覚で臨んでしまうと、きっと後悔することになるでしょう。

また養成所の場合、専門学校卒業後の受け口としての側面もありますが、専門から繋がりのある友達コミュニティみたいなものが存在したりします。

養成所歴のある方なら、多分察していただけるんじゃないでしょうか。
経験上、こうした人達は友達ノリが特に強い傾向があるように感じます。

コミュニティの中で上手く立ち回るのも必要なスキルですが、多くはそうした波に呑まれることが多いように思います。

他でもない僕も(人見知りですが)基本楽しいことが大好きなので、空気や流れに呑まれやすいです。

そして、相手を見定められず人付き合いしてしまい…

結果、イジメにあいました。

これは人間性を見極められなかった僕が悪いとも言えますが、上記の言葉に強く共感した所以でもあります。

これに関しては根性で乗り越えたとはいえ、その後一年、屈辱で地獄を味わったので…
本記事を見ていただいている方には、上記の言葉に加え「相手をよく見ろ」と、声を大にして伝えたいです。

なお安心と言いますか、当然ともいえますが、その連中の末路はさもありなんといったところです。
少なくとも成功している人は見かけないので。

このような痛い経験もあるため、現在進行形で通われている方は、自分自身のために、是非人間関係にも注意を払ってみてください。

多くは、当時友好的だった人も、その後いつの間にか消えていなくなっていることに気付かされるかもしれません。

でもそれは無益な喪失ではなく、あなたから弊害が無くなったということ
前に進む限り、あなたの周りに残るものこそ大事なものなんじゃないでしょうか

まあ、中には退所しても良い関係を築いている人もいるとは思いますので、そういう人は普通に友人として大切にすれば良いと思います!

大事な事なのでもう一度言いますが「目的を履き違えない」ことに注意すれば大丈夫です。

むしろ魅力のある人には向こうから集まってくるでしょう。

「類は友を呼ぶ」は、この世の真理の一つだと思っています。

相性について

全てのことに相性というのは存在すると考えます。
火は水に弱く、水は雷に弱い…
これはゲーム脳の考え方ですが、養成所や事務所についてもそれは同様であると言えます。

置かれた環境がベストとは限らない

それぞれが考え、取捨選択をした結果、今の道があると思います。

ただ現在の環境が最良かと言われると…どうでしょうか。
なかなか明確な回答を出すのは難しいのではないでしょうか。

最良かどうかは別にしても、選んだ場所によっては上手くいくいかないが左右されることがあります。

勿論「ここは自分に合わないからいーや」と言って、すぐに諦めてしまうようなやり方では見定めは難しいでしょう。

ただ、求められるものや相性によって結果が変わってくるということは理解しておいた方が、前向きになれると思います。

実際僕自身も、養成所Aが不合格だったが、滅多に募集自体しないB社のマネージャーから研究生合格の連絡が来た、なんてことがありました。

他にも養成所同期だった方が、そのまま上がることは出来なかったものの、その後日本ナレーション演技研究所に応募。
基礎科のオーディションを受けた後に「研究科からやってみない?」と言われ、アイムエンタープライズに所属していました。

有名声優の方でも「〇〇ではうまくいかなかったけど、その後別の場所で成功した」という方は結構多いのではないでしょうか。

よく「上手いやつは何処(の事務所)にいってもうまくいく」という理論を耳にしますが、一理あると思います。

ただ、これは少々強引かなというが僕の意見です。
だって、それを鵜呑みにしてしまうと、逆説的に「何処いってもダメなやつはダメ」ということになってしまいます。

研鑽した結果についてというのは解りますが、人は変わっていくものです。

予めうまくいかない言い訳を用意しているようではダメですが、今躓いているからと言って諦めてしまうのは勿体ない…

同じ道でも、ベターな選択がある可能性については、頭に入れておいた方がいいかもしれません。

優れた恩師に出逢うこと

野村証券が出世する人の共通点について、多額を投じてコンサルタントにアンケート調査を依頼したそうです。

結果「入社して最初についた上司が優秀」であることが解ったそうです。

以下にTwitterより関連ツイートを引用させていただきました。

なるほど…納得の結果です。
これって、会社とかは関係なく、学校や訓練の現場でも同じことが言えると思うんです。

声優や役者である多くの人は、先人から色々な教えを受けるはずです。

「この人に教わりたいからここへ来た」というケースやワークショップもあるでしょうが、専門学校や養成所の場合、講師は基本的に選べるものではありません。
(専門の場合は選択制ゼミ等もあると思いますが)
これは各団体が出している資料やホームページを見れば一発で解る内容かと思います。

それと、かなり痛いところを突きますが、売れに売れている最前線の声優に教わる機会は中々ありません。
何故なら、講師にまで手が回らないというのが実情としてありますし、そもそも講師をやらないからです。

中には思想があって講師をされている方や例外もあると思いますが、大ベテランだったり事務所の社長だったりが多いですよね。

そういった状況の中で「優れた恩師に出逢えるかどうか」は、発展するうえでかなり重要なことだと考えます。

これは憶測の話になりますが、第一線で活躍されている声優の方は皆、素晴らしい恩師に巡り合ってきたのではないでしょうか。

何も技術を教わる人に限定した話ではありませんし、それが先のアンケート調査から感じる因果関係であり、所以です。

優秀な恩師からの教えは血肉となり、その他にもきっと力になってくれると思います。
逆に最初に教わったことが偏ったり間違っていたら、潜在意識として固着してしまいかねないという側面もあります。

とはいえ、こういったことは後から恩恵に気付くものだったりするので、難しいところです。

ただ、誰かに師事する時は、口だけ達者な怪しい人もいるので気を付けてください。
特に心が不安定な時ほど信じてしまいやすいので、要注意です。
事実、僕の友人にも、その手合いの人にひっかかってしまっていた人がいました…

そういった時にものを言うのが実績なので、指標として実績を参考にするのが間違いないです。

断言しますが、口ではなく結果を見てください。

本当に優れた人は、騙したり適当なことを言ったりしないはずですから。

まだ巡り合いがないという人は、これから良き出逢いがあるといいですね!

目的を見失わないで

結構厳しいことを書いてしまった感があります。

まとめると、以下のような感じです。

・周りを気にしすぎない
・あなたにベストな出逢いと環境を!

厳しい業界ですので、目的を見失わず、周囲がどうとかではなく。
あなたにとって有益なことを第一に考えるべきです。

もし人間関係や環境に思い悩んでいる場合、本記事が何かプラスになれていれば幸いです。

あなたの行く未来さきに、希望の明星が輝かんことを。。。

というわけで。

Bonne soirée! ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

日本ナレーション演技研究所
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