【レビュー】PSB2017 ~港の犯行を目撃せよ!~【一夜限りがもったいない!】

レビュー

Bonsoir! 川古です。

今回もペルソナ回になります。

ペルソナはちょうど25周年で、今年は3年ぶりに恒例となるペルソナスーパーライブことペルライの開催も決定しています。

詳細は以下

PERSONA SUPER LIVE P-SOUND WISH 2022 ~交差する旅路~ 公式サイト
『ペルソナ』シリーズの音楽イベント、「PERSONA SUPER LIVE P-SOUND WISH 2022 ~交差する旅路~」2022年10月8日(土)、9日(日)幕張メッセにて2DAYS開催決定!今回はペルソナライブ初の土日開催!

公演名:PERSONA SUPER LIVE P-SOUND WISH 2022 ~交差する旅路~
会場:幕張メッセ国際展示場7-8ホール
出演者:
DAY1:Lyn(稲泉りん)、川村ゆみ、Lotus Juice and more…
DAY2:Lyn(稲泉りん)、平田志穂子 <GUEST:Lotus Juice>and more…
※出演者は予告なく変更になる場合があります
日時:2022年10月8日(土)~ 10月9日(日)
DAY1:開場16:00/開演17:00
DAY2:開場14:00/開演15:00

ええ!僕も勿論VIPで参戦予定ですとも!ええ!

昨年、東京オペラシティでのシンフォニックオーケストラには行きましたが(こちらも大変素晴らしかった…)ペルライは初となります。
コロナ禍で難しいと思っていた中での念願の開催なので…今から昂って仕方がありません!

そして日々ペルソナ愛が深まる中、予習の意味も込めて過去のペルライBlu-rayを購入&視聴しました。

その名も「PERSONA SUPER LIVE P-SOUND BOMB !!!! 2017 ~港の犯行を目撃せよ!~」

数あるペルライですが、僕がペルソナ使いとして覚醒するきっかけになったペルソナ5の楽曲が初めて演奏された公演とのことで、手に取ってみました。

記事を書くつもりはなかったのですが…
あまりにも素晴らしく、見どころも多く感極まってしまったため、レビュー的なものを書くことに(笑)

だいぶご無沙汰ですが舞台経験もありますし、そういった部分含め、自分なりの目線で語ってみたいと思います→

以下の方には特にオススメです!

  • P3、P4、P5で好きな作品がある
  • 音楽ライブや生の公演が好き
  • ペルライに行ったことがない

ペルソナ使いなら、聴け!観れ!感じれぇぇぇぇ!!
(よろしければ買ってくださいませ)

ペルライとは

ペルソナスーパーライブの略で、2008年からスタートしたペルソナのライブ公演群の呼称です。

ペルソナはゲーム作品でシナリオやシステムは言うまでもなく秀逸なのですが、音楽によって織り成される成分の比重が非常に大きいです。
というか、こちらが本体といっても過言ではありません。

その音楽祭ですから、ゲーム音楽ライブ界隈で最も盛り上がるステージとなるのは必定ですね。

個人的にゲームに限らずですが、エンタメ作品における音楽の重要性には一目置いていて
それもあって、ペルソナの音楽世界は僕の宝物になっています

タイトルや楽曲が追加されるごとに進化を魅せるペルライ…

今後もますますペルソナファンを熱狂させてくれることでしょう。

「PERSONA SUPER LIVE P-SOUND BOMB !!!! 2017 ~港の犯行を目撃せよ!~」

公演概要
PERSONA SUPER LIVE P-SOUND BOMB2017
『ペルソナ』シリーズの音楽イベント、「PERSONA SUPER LIVE P-SOUND BOMB!!!! 2017 ~港の犯行を目撃せよ!~ 」8月2日(水)横浜アリーナにて開催決定!

公演名:PERSONA SUPER LIVE P-SOUND BOMB !!!! 2017 ~港の犯行を目撃せよ!~(以下PSB)
会場:横浜アリーナ
日時:2017年8月2日(水)開場18:00/開演19:00

開催してからもう5年になるんですね…
その次は2019年にも開催されていますが、そちらは一旦置いておいて、5年前でも全く褪せないクオリティです。
横アリ…生で観たかった。

セットリスト

P3~P5ではおなじみの人気曲が含まれた構成。
またダンシングシリーズ、ペルソナQや過去ナンバリングのオーケストラ楽曲もあります。


  1. Wake Up, Get Up, Get Out There
  2. Burn My Dread
  3. Pursuing My True Self
  4. PSB2017 Everyday Mix (Beneath the Mask/Signs Of Love/When The Moon’s Reaching Out Stars)
  5. Life Will Change
  6. Tokyo Emergency
  7. Mass Destruction
  8. Deep Breath Deep Breath
  9. Reach Out To The Truth -First Battle-
  10. Last Surprise
  11. Phantom
  12. Tokyo Daylight
  13. key plus words -TV size ver.-
  14. Break Out Of…
  15. Laser Beam
  16. Will Power
  17. Beneath the Mask -rain-
  18. Blooming Villain
  19. Keeper of Lust
  20. 全ての人の魂の戦い
  21. ジュネスのテーマ
  22. Persona Orchestra Medley 2017(全ての人の魂の詩/聖槍騎士団/Mistic/Heaven/Our Beginning)
  23. Burn My Dread -Last Battle-
  24. MAZE OF LIFE
  25. Time To Make History
  26. The Whims of Fate
  27. Rivers In the Desert
  28. P3D×P5D OP Mix

-アンコール-

  1. キミの記憶
  2. Light the Fire Up in the Night “KAGEJIKAN”+ “MAYONAKA”
  3. Life Will Change
  4. Never More
  5. 星と僕らと

商品について

■【完全生産限定BOX】は特別仕様の三方背ボックスにBD2枚とCD2枚のセット
■通常版はBlu-ray2枚組と音楽CD2枚組を別個で展開
■Blu-rayのDisc2には以下豪華特典映像を収録
■30分超メイキング映像 Behind the scenes of PSB2017
■PSB2017 別アングル編集版
・PSB2017 Everyday Mix (トリプルボーカル固定映像)
・Mass Destruction~Deep Breath Deep Breath (別視点映像)
・Phantom (客席通路フィーチャー映像)
・Laser Beam (別視点映像)
・Will Power (P5主人公 密着カメラ)
・霧 (目黒将司 密着カメラ)
・Keeper of Lust (バンドメンバー 密着カメラ)
■横浜アリーナ事件:怪盗団潜入証拠映像
■Welcomeグリーティング演奏「Your Affection」
■場内アナウンス
・喜多川祐介 Ver.
・P3主人公 Ver.
・堂島菜々子 Ver.

限定版については、本記事投稿時点で売り切れ多数です。
が!一部オンラインショップ等では在庫がある様子なので、ご購入予定の方はお早めに!

特典映像も見応え抜群ですよ!

舞台や公演はナマモノであり、席の関係もあって一度では吸収しきれない点もあるはず。
映像ソフトでは現地で見えなかった部分や新たな発見等、別の視点から楽しめるのも嬉しいですよね。

PSBのここがスゴい!

①エンタメ要素てんこ盛り
②心奪われる演出と舞台装置
③ステージを盛り上げるペルソナダンサーズ
④ファン垂涎の楽曲構成
⑤横浜アリーナを最大活用

①エンタメ要素てんこ盛り

普通、音楽ライブといえば、アーティストが生で楽曲を演奏&歌唱するイベントです。

それだけでも成立しますし、ライブはそれ自体に魅力があり、来客も音楽やアーティストが好きな人が集まるわけですから何も問題はありません。

しかし、PSBはただの音楽ライブに留まりません。

ライブ全体が一つのアートのようであり、歌、演奏、ダンス、ストーリー、トークと総合的なエンタメ要素がこれでもかと凝縮されています。

こんなにやっちゃっていいんすか!?ちょっと欲張りすぎ!?
と思えるくらいの見所や仕掛けの多さです!

五感を使って多角的に楽しめるライブイベント。

僕はゲーム作品自体が総合芸術だと思っていますから、更にその枠を超えて提供されるペルライはまさに”オタカラ”そのものですね!

②心奪われる演出と舞台装置

本公演がただのライブではない理由の一つに、ストーリー仕立てになっていることがあります。

ペルソナ5に登場するキーとなる舞台、大衆の歪んだ欲望が生んだ認知の異世界メメントス。

会場である横浜アリーナがメメントスと化し、集まった来客の欲望=オタカラを頂戴しにペルソナ5の主要キャラクター「心の怪盗団」が現れます。

そして、ペルソナ3から「特別課外活動部」、ペルソナ4から「自称特別捜査隊」の歴代ペルソナ使い達が集まってくる…というような設定です。

ライブの入りから終わりまでが、このストーリーに因んだ構成になっており「ペルソナQ」のような、本来交わらないメンバー同士の展開を楽しめます。

また、曲毎の照明切り替えやATLUS直々の監修が入っているという舞台装置も豪華絢爛。

ステージ上や中空にはそれぞれの作品の世界観を表す意匠が施されています。

P3は影時間を表現した時計、P4はマヨナカテレビを利用した殺人事件の吊り下がった遺体風の電光オブジェ。

P5はステージ一面がメメントスを象徴するような赤い色彩と、舞台奥にはモルガナカーが鎮座し、天井付近には本公演における怪盗団のターゲットである、観客のオタカラと思われる宝箱が出現していました。

宝箱はゲーム内メメントスに出現するものとソックリ!
硬質感と纏わりつく血管のようなもののグロテスクな感じ等…
細かく表現されてい
グッジョブ!

耳や目だけでなく、五感を刺激する演出の数々。

さながら、ライブそのものが「一つのペルソナ作品」と言って差し支えないでしょう。

1MOREポイント

制作的な観点でいえば、あれだけの会場で安全に運営するための設置や配慮にも苦労されただろうなと感じました。
灯体もそうですが、壮観な作品モチーフのオブジェ等は落下したら大事故になりますから…
正直初見で「落ちたら危ないな」という懸念が先にきてしまいました(笑)
重量や設計も考慮した上で舞台装置を完成させるのって、本当に大変。
忘れがちですが、エンタメは縁の下の力があってこそ成立するという意識を持っていたいですね。

③ステージを盛り上げるペルソナダンサーズ

2022年現在もはやお馴染みであり、ペルライの大きな見所の一つとなっているんじゃないでしょうか。

ペルソナ各作品のメインキャラクターに扮したペルソナダンサーズの方々の演技や衣装にも必見です!

キャストは「ペルソナダンシングシリーズ」で実際にモーションアクターを務めた方でもあり、全く違和感がなくて感動。

その様はまるでゲームから本物のキャラが飛び出してきたかのよう…もはや2.5次元の舞台ですね。
とはいえ、基本的には声を出して喋らないなど、キャラのイメージを壊さないような配慮もきちんとされています。

あと何がすごいって、皆さん役の理解が深いんですよね。
「このキャラだったらこういう表情や佇まいだろうな」とか「こういうモーションになるはず」といったことをちゃんと考えて、合わせて役作りされているんだと感じます。

余談ですが、コスプレイヤー方をお見かけした際「自分にとって映りの良い角度や表情」で撮られてる方が結構多い気がします
そういう意識を撤廃した役作りが出来るかどうかがプロの境目だと思います

ちょっと非情なことを言えば、キャスティングの段階である程度見た目や雰囲気が合っているかを判断されるでしょう。

それでも、総合的に表現に見合った形になっているのは、やっぱり愛があればこそだと思います!

1MOREポイント

本公演ではマントを羽織ったシャドウ役のアンサンブルダンサーの方々も多数登場します。
マスクをつけてのパフォーマンスは夏ということもあり、想像以上にしんどかった様子です。
舞台では規模により演出上マンパワーが必要な場面があり、支える脇が重要なことも多いです。
顔こそ出ませんがアンサンブルダンサーの方々のダイナミックな表現にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

④ファン垂涎の楽曲構成

PSBの注目ポイントは、やはり本公演初参加でありメインディッシュのペルソナ5楽曲だと思います。
僕もP5からどっぷりペルソナワールドに入り込んだ一人ですが「過去作は知らないけれどP5が好きだから本公演に参戦した」という人もいるかもしれません。

セットリストはP3~P5までバランスよい構成となっていますが、2つあるステージも正面メイン側はP5モチーフとなっています。

楽曲自体がライブと相性がよく、且つ人気のあるもので構成されているので非常に惹きこまれます。

そしてこれまでペルソナミュージックの華を飾ってきた川村ゆみさん、Lotus Juice(アニキ)さん、平田志穂子さんに加え、P5メインボーカリストのLyn(稲泉りん)さんも加わり、かつてない迫力に。

ライブならではのアレンジ楽曲も多数あるので、純粋に新規サウンドトラックとしても価値アリです!

ペルソナメインコンポーザーの目黒将司さんやバンドメンバー、
繊細な音を奏でるオーケストラの方々の演奏も必聴&必見です!
衣装も華やかです(笑)
ブリリアント!

1MOREポイント

セットリストは公演のシナリオに合わせた展開にしつつも、演奏との相性や人気度も考慮されているようです。
若干P4が少なめには感じましたが、グリーティングでは開演前にP4の日中使用の日常曲『Your Affection』が演奏されたようです(特典ディスクに収録)
重ねたストリングスの音色は、原曲の元気な感じとは真逆のセンチメンタルな印象に…
また本公演は全体的に非常にアクティブで、キャストの休憩の意味合いもかねて構成する必要もあったと思います。
総合的に、いかに会場の盛り上がりをキープしつつ成立させていくかの工夫も感じられたステージでした。

⑤横浜アリーナを最大活用

PSBでは会場となる17000人を収容する横浜アリーナのキャパシティを存分に活用しています。

設置された2つのステージに加え、パフォーマンスとして通路まで利用してキャストが縦横無尽に駆け回ります。

大画面モニターでは作品ムービーや告知の映像が流れ、照明はアリーナ全体の空間を煌びやかに演出。

ペルソナは作品毎にカラーリングモチーフがあるのも特徴的
観客のペンライトも楽曲に合わせたものに変化する演出で、これまた一体感が凄いんです!
エクセレント!

広さを活かした特大音響でバイブス上げまくれるのも、醍醐味ですよね。

これは特典映像で知ったのですが、会場の広大さゆえ、キャストの衣装替え等の都合で、時短のため裏では通路を自転車で移動する場面もあるようでした。

ママチャリをこぐLotusアニキ…シュールですね(笑)

SHOWTIMEだ!(感想)

本公演の流れを追いつつ、感想をば→

主題歌で幕を開けた一夜限りのSHOWTIME


開幕はP5のOP曲『Wake Up, Get Up, Get Out There』でスタート。

PSBのテーマ的にも、まずはもちろんコレ!といった感じでしょう。
原作のあのOP映像を見て心動かされない人はいないはず。

Lynさんもアレンジ入れまくりで冒頭からブチ上げてきてますね!

そして同じくOPとしてP3の『Burn My Dread』に続きます。
川村ゆみさんはもはやペルソナシリーズのドンみたいな風格ですよね、彼女がいなければ始まらない。

開幕のラストを飾るのは平田志穂子さんによるP4のOP『Pursuing My True Self』
他の二人とはまた違った優しい歌声に魅了されます。

リッチな朝抜きパッセリ!(解る方のみ解るネタ)

赤⇒青⇒黄のコントラストが美しい…。

本公演だけの特別リミックス


OPラッシュが終わると、日常曲のリミックス『PSB2017 Everyday Mix (Beneath the Mask/Signs Of Love/When The Moon’s Reaching Out Stars)』に移ります。

この曲には本当に心をぶち抜かれました…。

P5から『Beneath the Mask』、P4の『Signs Of Love』、そしてP3からは『When The Moon’s Reaching Out Stars』
これら原作の夜間に流れるBGMをミックスした構成になっているんですが、絶妙に三曲が移り変わって、交わり、最後は一つになっていく。

『Beneath the Mask』の闇に溶けていくような、ビターな微睡み感。
『Signs Of Love』の、1日の終わりの安堵感に寄り添うほのかな切なさ。
他とは対極な『When The Moon’s Reaching Out Stars』から溢れ出す「さあ、街に繰り出そう!」といわんばかりの高揚感。

それぞれに魅力があり、個が際立っているにも関わらず、融合に違和感ないんですよね。
BPMこそ調整されているものの、こんなに上手く繋がるん!?ていうくらい。
それぞれのコード進行を把握しているわけではありませんが、同じ構成なんでしょうか?

多分ここでしか聴けないミックスだと思うので、本公演一の聴き所と言っても過言ではないと思います!

いつかP6の曲も交えて「20×× Everyday Mix」として再臨することを望みます!

心の怪盗団 × 特別課外活動部 × 自称特別捜査隊


お次はP5心の怪盗団のリーダーであるジョーカーのアナウンスと共にLynさん率いる怪盗団が登場。
『Life Will Change』の小気味よいイントロのギターリフが鳴り響く。

『Life Will Change』はP5を代表する曲の一つで、オタカラを頂戴する作戦決行時に流れる怪盗団のテーマ曲的なナンバー。

PSBの物語が始まりを告げ、会場は歓声に包まれます。
Lynさんは横アリぶっ壊すくらい、声のパワーがものすごいですよね。

そして忘れてはならない、怪盗団に扮したペルソナダンサーズの登場です。
キレッキレで皆さん最高にカッコイイ!

しかし歌唱曲だと特にどこ観てればいいのかわからなくなりますね。

そしてそのまま怪盗団の作戦スタートにより『Tokyo Emergency』へ。
原作では作戦期間の日中に流れるこの曲。
適度な緊迫感の中で街中を往くP5主人公とその情景が思い起こされます。

そこから舞台は対面のステージへ移り、特別課外活動部の面々と共に川村さんとLotusアニキが『Mass Destruction』を熱唱。
P3の通常戦闘曲であり、ゲーム業界に革命を起こした伝説の楽曲ですよね。
多くの方は「え、これ戦闘で流れるの!?」と驚愕したに違いありません。

何度聴いてもクセになる…

ベイビベイビベイビベイビベイビべベイビベイビベイビ!!

やっぱり伝統ある人気曲、会場の熱もかなりのもののようでした。
勿論こちらのダンサーズも負けていません。

そのまま同作の『Deep Breath Deep Breath』となり、Lotusアニキのクールなラップが続きます。
一旦”深呼吸”したいところ…ですが、まだまだライブは始まったばかり。

改めて対面のステージには、自称特別捜査隊と平田さんが姿を現し、P4の通常戦闘曲『Reach Out To The Truth -First Battle-』が演奏開始。
P4を象徴する間違いなく、まごうことなき人気曲です。
一応テレビの中での命がけの戦いのはずなのに、なんでしょう…この軽快で超ゴキゲンな雰囲気は。

作品のポップなイメージを解りやすく伝えるこの楽曲は、他のタイトルより馴染みやすい曲調のはずなのですが、それでもスルメのように聴けば聴くほど味が出るんですよね。

しかしP4はライブのバンドサウンドとの相性も抜群ですし、テンションMAXで欠点を感じられません!

P5ターン!ナイスタップ!?


この繋げ方からは予想出来たかもしれんが、戦闘、戦闘とくればそうでしょう。
P5の通常戦闘曲『Last Surprise』が熱気を冷めさせてはくれません。

P5ファンにとっては親の声より聞いた曲?ですよね。
この独特のオシャレさはまず他にないでしょう。
ライブ特有のゴージャス感も増して、より聴きごたえを感じます。

ペルソナはタイトルごとにどれも個別の魅力があって…本当甲乙つけがたい!

そこからは、怪盗団の天才ハッカー、ナビこと佐倉双葉がステージ上で何やらコミカルな動きをし始めます。
壇上をカツンコツンと慣らすこのステップ音は…まさかと思ったでしょう、なんとタップダンスを披露してくれます!

いや音楽ライブでここまでやりますか、と驚きを隠せません。
原作のタイトル画面で流れるこの時の曲『Phantom』はインスト曲であり、また見せ場として相性のいいものをチョイスしたなと思いましたね。

からの『Tokyo Daylight』、作戦期間外の日中に流れる日常曲です。
これを聴きながら街中を徘徊していると最高に雰囲気出るんですよね!

パラッ、パラッパーラッパ~ラ、パラッ、パラッパ~ラー♪

つい口ずさんでしまうあれ、なんて言ってるんでしょう(笑)

スピンオフ&ブレイクアウト


ここでP5ターンは一旦終了。

ノリの良いパーカッションでスタートした曲は『key plus words -TV size ver.-』
その名のとおり、テレビアニメ版のペルソナ4、P4Aの第二期OP曲です。

これ映像とあわせて滅茶苦茶熱いんですが、アニメからこれだけ選ばれたのはやはり人気が高いからなんでしょうね。

川村さんも合唱されているのがファンには嬉しいポイントです。

そのままの勢いで、P4U2のOP『Break Out Of…』へ移行。
P4U2はP4Uからの続編であり、P4Gの後日談を描いた異色の作品。
ゲームのジャンルはRPGから対戦格闘ゲームとなった本作ですが、正史として続く正当続編であり、ファンも多いはず。

また会場内では通路も利用して、縦横無尽にキャスト達がシャドウをなぎ倒していきます。
原作同様、作品を超えて共闘する様は、見ているだけでも楽しい気分になりますね!

バトルフェイズともいえようこのタイミングでバトンを渡されたのは『Laser Beam』

ここまでの演出とはまた異なるグリーンの眩いレーザーのライトで照らし出される横浜アリーナ。
この照明、過去一のライト量でLotusアニキも驚いていたそうです。

ノリのいい裏打ちリズムやメロディアスなパートも魅力の本楽曲は、PQのボス戦用BGM。
聴く場面が少ないのがもったいないと感じる名曲だと思います。

死闘と休息と


激しい戦闘が終わったかと思いきや、ここで息つく暇も無く『Will Power』のギターイントロ。
P5において、ペルソナが覚醒するバトルシーンで使われるこの曲も、そこまで回数は多くないですが名曲の一つ。
原作で怪盗団のメンバーが反逆の意志を表出させる台詞と演出には、誰もが心躍らせたことでしょう。

こちらもインスト曲ですが、P5主人公役のKAZOOさんが華麗なダンスで会場を盛り上げます。

演奏が終わると、打ち付ける雨音のSEと響き渡るヴァイオリンで空気が一変します。
リミックスでも使われたP5夜間日常曲の雨天時バージョンで『Beneath the Mask -rain-』
静かに始まったこの曲は、入りの仕方を奏者の方が提案し、好評だったため採用されたそうです。

アンニュイなムードの中、ルブランのコーヒーを味わうが如く…

ここまで基本アップアップで来た公演も、ここで美しい歌声と音色に心が浄化されます。
観客の拍手もまた雨音のようで、自然と会場も一体感に包まれていましたね。

大明神のギターテクをご覧あれ


と、思いきや静寂の空気をぶち壊すように『Blooming Villain』へ激しく突入します。
P5のダンジョンとなるパレスのボス戦で使用されるこの曲は、狂い暴走するかのような勢いの中に漂う悲壮感がなんとも言えないんですよね。

サビの部分は何度聴いても鳥肌が立ちます!

通常ボス戦曲の中では一番好きですね!

続けてキターーー!P4の真ラスボス戦で流れる名曲『霧』
厳密には前哨戦用といった感じのこのBGMですが、ギターのエモーショナルさが半端ないですよね。

余談ですがこの曲、同作でアメノサギリ戦で流れる「The Almighty」と曲名が逆なんじゃないか等、諸説あるようなんですよね…。

公式では否定されているそうですが、言葉の訳もThe Almighty=全知全能(の神)的な意味になるので、やはりボスのルーツを考えると逆の方がしっくりきます。

サウンドトラックも曲順の配置がおかしいので、制作過程何かあったんじゃないかと邪推しています(笑)

ボス戦のラッシュということで、次に始まったのはP5の中ボス戦を盛り上げる『Keeper of Lust』。こちらはメメントスのミッションボス戦等、聴く機会の多い曲ですね。

このあたりの一連は、特に目黒さんのギター演奏が必聴&必見!
脇で踊る順平&陽介役のキレッキレのダンスも大きな見所です!

怒哀喜楽


激しい戦闘は観客を休ませてはくれず。

情熱的で疾走感あるギターの爆音と共にやってきたのは、ペルソナ屈指の名曲『全ての人の魂の戦い』

ペルソナシリーズの顔的BGMでもある「全ての人の魂の詩」のアレンジとなるこの曲、タイトル通り、先出し感が物凄いです(良い意味で)。
なんというか「本当に最後の最後の戦いで流れるとっておき」といった趣で、アレンジ元からしても破壊力ありすぎて鳥肌立ちまくりで。

きっと人気的にも、まさにペルソナの集大成といった楽曲なんじゃないでしょうか。

ライブならではの勢いも相まって、怒りや悲壮感を纏った原曲の魅力がより引き立てられています。
ダンスの演出も、仲間がP3主人公に思いを託していく様は、まるで原作のラストバトルさながら…涙が出てきますね。

ここで何やら可愛らしい小柄な二人がステージに登場し、雰囲気は一変します。

鮮やかなブルーの衣装に身を包まれているのは、なんと!P5におけるベルベットルームの住人ジュスティーヌ&カロリーヌではありませんか!

そしてジュスティーヌに扮していたのはなんと…平田さん!?
カロリーヌ役の能登有沙さんは、先の曲でP4の堂島菜々子も演じており、早着替えをしてきた模様。

そんなキュートな二人が歌うのはP5の何かな?と思いきや…『ジュネスのテーマ』!(笑)

菜々子が一番上手く歌えるやつー--!!
P4でお馴染みのこの曲ですが、何気に歌がついたのはP4Dなんですよね。

本当センスあります、皆で声を大にして歌いたい!
(キャラ関係ないのはこの際置いておきましょう)

えびでぃ!やんらいッ!ジュ・ネ・ス!!フゥ―――!!

ペルソナの歴史を感じるオーケストラアレンジ


ジュネスで賑わった後は荘厳な雰囲気が漂います。

オーケストラ演奏によるメドレー『Persona Orchestra Medley 2017(全ての人の魂の詩/聖槍騎士団/Mistic/Heaven/Our Beginning)』の演奏がスタート。

こちらは女神異聞録ペルソナから続く歴代シリーズの楽曲が順になるような構成で、過去作のファンにも嬉しい内容だったんじゃないでしょうか。
途中からはP5奥村春役のダンサーが切なく、時に激しく舞い、演奏を盛り立てます。

繊細な照明と合わさり、ここまでの体験で得たものとはまた違った感動に心が震えます。

今やデュエットもペルソナの強み


盛大な拍手の後に続くのは『Burn My Dread -Last Battle-』
朦朧とした意識の中、最後の鼓動を燃やし尽くすようなビート。
P3主題歌のラストバトル用アレンジはとにかくLotusアニキのラップが熱いですね。

軽快なリズムで後を追うように『MAZE OF LIFE』が駆け巡ります。
ペルソナQシャドウ オブ ザ ラビリンスのOP曲は隠れた名曲じゃないでしょうか(隠れてない?)

PQ関連は特に川村さんと平田さんの織り交ざり方が見事ですよね。

原作やり終えてから聴くと、まっこと泣けるんですよ…この曲

次の『Time To Make History』はP4Gで追加された新規戦闘用曲。
オリジナルの「Reach Out To The Truth」に負けず劣らずのバトルにふさわしいチューンです。

いやーP4はバンドとの相性がこの上なく良いですね。

一大発表と新曲披露


再度Lynさんが登場して歌い上げるのは『The Whims of Fate』『Rivers In the Desert』はP5の人気のボーカル曲。

前者は作中の大きなターニングポイントであり象徴的なニイジマパレス用BGM。
後者は一部の強大なボス戦で流れる曲で、こちらも根強い人気を誇ります。

どちらも印象的なシーンで流れるものなので、ファンは多いのではないでしょうか。

ここで本公演のラストを飾る曲目の前に、『P3D&P5D発売』『PQ2発売』という2つのビッグニュースが映像と共に会場は大いに沸きあがっていました。

こんなニュース生で観たら嬉しくて僕は卒倒しますね…PSW2022に今からガクブルです!

一応柔道有段者なので上手く受け身をとりたいところです
(何を言っているのかまるでわからん)

そして全てのキャストが集った『P3D×P5D OP Mix』が始まります。
初お披露目となるP3DとP5DのOP曲とその他BGMをリミックスした、DJ WAKAさんによるサウンドで場内は大熱狂。

想像を超えたエンタメ体験と新作への期待で胸がいっぱいとなったであろうタイミングで、本公演の通常ステージは終了となりました。

アンコール ~涙涙のエンディングから大団円へ~


しかしまあこうした流れは儀礼的なものに過ぎず…
普通ライブといったらアンコールがあるのが定例です。

アンコールの一曲目はP3のED曲であり名曲『キミの記憶』
モニターには劇場版P3の感動的なシーンが映し出されており、観客の涙を誘っているようでした。

わたしの一番の大切は、あなたの側にいることでありますよホント…

でも川村さんも仰っていますが、ライブ向きじゃないというか、生で歌うにはかなりキツい難易度の曲なんですよね。
途中会場の観客でサビを一部合唱していたのですが、お願いしている川村さんが冗談ではなく大変そうなのが少し面白かったです(笑)

アンコールといえば、皆さんに見せ場がないと、といった感じで二曲目は『Light the Fire Up in the Night “KAGEJIKAN”+ “MAYONAKA”』
これまでのセットリストから、歌われることは必定ともいえるPQの通常戦闘曲です。

この曲、原作に合わせてP3バージョンとP4バージョンがあるのですが、構成・繋げ方が激アツ!
川村さんのロックテイスト、平田さんのポップな感じはどちらも素敵で…。
Lotusアニキの弾丸のような心地よすぎる怒涛のラップもポイントです。

そして本公演のメインはやはり負けられない!ということで、再度Lynさんによって『Life Will Change』が歌い上げられます。

冒頭と同じなのに、違った気持ちで染み入ってくるメロディー…『Life Will Change』は何度聴いても飽きませんね!何度だって心を頂戴されてやる!

ラストの二曲は涙なくしては聞けません。

まずは『Never More』、言わずと知れたP4のED曲です。
平田さんの想いが込められたスピーチの後に始まった本曲、ある意味シリーズでも一番泣けてしまうんですよね…ものすごい魔力。
ゲームプレイと一年間の軌跡を思い出し、涙が堪えられない人がアラウンド ザ ワールドだと思います。
とにかく素敵です!

大トリを務めるのはLynさんによるP5ED曲『星と僕らと』。
これはもう語らずとも言うことはないでしょう。

しっとりとした優しくも力強いメロディーは『Never More』とも少し違う、カタルシスの大爆発で涙が溢れてきます。

ありがとう、ありがとう…歴史に残る名曲です!!

以上をもって興奮冷めやらぬ中、PSB2017は幕を閉じました。

実際に足を運んだ皆様は、間違いなく忘れられない思い出になったことでしょう…。

ちなみに僕もライブとシンクロするために、観終わるまでティッシュを使わない(涙は拭かない)プレイをしてみました(笑)

一夜だけの「オタカラ」


今回は「PSB2017 ~港の犯行を目撃せよ!~」について、気ままにレビューさせていただきました。
掲載可能な写真等がないため、実際の様子をビジュアルでお届け出来ないのが歯がゆいです…

とはいえBlu-rayならではの良さはありますし、現地にいなくてこれだけの感極まれるのだから、本当にゲーム音楽ライブって最強ですよね。

更にPSBはマチネもソワレもなく、本当に一回限りのオタカラ公演で希少価値も高いです。

これだけのエンタメライブ…一夜限りがもったいなさすぎる!

もう一つ、PSBはキャストと観客の距離感が近く臨場感あふれるものでした。
でもPSW2022はコロナの関係で流石にあの距離感は出せないんだろうな…と思うと少し残念です。

なんでしょう、本当に、どう説明していいのか言葉が見つからないのですが…
観終わった時に(観ながら)涙が溢れて、この作品に出逢えたことや、ただの一視聴者で制作に関わっているわけでもないのに形容し難い感覚になったんです。

嬉しさなのか、悔しさなのか、寂しさなのか…。
もどかしいのですが、同じように、こんな気持ちなった方はいらっしゃるんですかね?

なんにせよペルソナ関連作品史上、珠玉の一作であることは間違いないPSB2017。
是非実際の映像商品を手に取って、その魅力を確かめてみてください!!


そんなわけで、来たるPSW2022も僕らの光になることを期待しつつ。

Bonne soirée! ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました