【養成所】B・A・Oマスコミ講座について①【経験者が語ります】

声優

Bonsoir! 川古です。

僕のブログを見ていただいているSSRなあなたは、関係者の方でしょうか。
そうでなくても、少なからず、1パーセントでも「声優」について興味をもたれている方だとは思います。

また、これから声優を目指したい、養成所に通っているといった方もいるかもしれません。
もしくは、これから養成所に通いたいが色々あって悩んでいるというケースもあるかもしれません。

養成所に通うことは声優を目指す上での定石であり、王道、いわばファーストドアです。
(このあたりやサードドアという考え方については、改めて記事を書きたいです)

そしてこの養成所の決め方について、多くの場合は「有名な事務所 or 有名な所属者がいる事務所」から候補を挙げて選択するのではないでしょうか。

基本、この考え方で間違いないと思います。
というのも、イコールで実績や歴史、コネクションが存在するため仕事に繋がりやすいと考えられるからです。

入るのにも試験はありますが、とりあえず門を叩いてみるのも行動的でいいと思います。
といっても、養成機関は概ね一年から二年通うことになりますし、入所費用もピンキリとはいえ、どこも決して安くはないです。
なので、勢いだけで決断すると思わぬ躓きがあったり、手当たり次第何度も通うことは難しいでしょう。
またある程度は個人との相性もあると思います。

プロフィールを見ていただいた方は察しがつくかもしれませんが、僕は過去にぷろだくしょんバオバブの附属養成所「B・A・Oマスコミ講座」に通っていました。
ぷろだくしょんバオバブは著名な事務所ですので、検討される方も多いんじゃないでしょうか。

今回は上記を検討されている方向けに、実際に体験した内容を前編後編に分けて、ギリギリまでお伝えしたいと思います。

とはいえ、記事投稿タイミング的には、年度の募集は終わってしまっているかもしれません…
しかし、今後予定している方や、中途の募集がある可能性もあるかと思いますので、決断・検討の一助にしていただければ幸いです。

また、過去に関連した記事もあげておりますので、併せてご覧いただけると大変嬉しいです!

始めに、おおまかに一年目でやることは以下になります。

  • 講師二名による年間を通しての授業
  • 締めくくりに発表会
日本ナレーション演技研究所

ぷろだくしょんバオバブについて

業界最大手といえる青二プロダクションから独立したメンバーによって設立された事務所です。
ちなみに、名づけ親は鉄腕アトムの声を担当されていた清水マリさんだったりします。

そして事務所附属養成所にあたるのが「B・A・O」になります。(前身はバオバブ学園という名称だったそうです)

以下はリンクになります。
ぷろだくしょんバオバブはこちら
附属養成所B・A・Oはこちら

僕が通っていた&在籍していたのはもう何年も前の話で、ちょうど福山潤さんら多数の所属声優が離籍し、アクセルワンが設立された後くらいでしょうか…

また2022年4月現在での主な所属者は以下になります。

  • ジャッキー・チェンの吹き替えで有名な石丸博也さん
  • クレヨンしんちゃんのひまわり役こおろぎさとみさん
  • 美少女戦士セーラームーン Crystalのセーラーマーキュリー役の金元寿子さん

またご逝去されておりますが、事務所設立メンバーであり、バカボンパパ役の富田耕生さんも有名ですね。

現在は所属者が多いとは言えませんが、かつて在籍されていた著名な方や偉大な先人も沢山いらっしゃいます。

声優にある程度詳しい人であれば、恐らくどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

募集詳細

実際の経験と記憶を辿りながら、現在掲載されている2022年度版の資料内容と照らし合わせてみます。
リンクの募集資料を拝見する限りは、自分が居たころと基本的に体制は変わっていない様子です。

入所資格

・基礎訓練を受けた15才以上の健康な男女

ここは恐らく以前から変更がないと思います。
表記上はほぼ応募制限がないため、一般的にみるとハードルは低い方です。
最低年齢については記憶が曖昧ですが、年齢制限は同じく設けられていなかったはずです。
また「基礎訓練を受けた」という部分については、僕の場合専門学校には通っていませんでした。
ただ、過去に俳優養成所や学生演劇をやっていた経験があったためクリアしたんじゃないかな、と。

期間

・2年間(2年修了時)

ここも変更ありません。
1年終了時にクラス替えがあり、2年目の最後に所属審査の後、上にあがれるかが決まります。
ちなみに場所によっては年度毎の査定に合格しないと退所といったケースもありますが、ここは強制退所といったシステムはありません。
どう捉えるかにはよりますが、ここも通いやすい点の一つといえるでしょう。

授業内容

・実技レッスン(各学年ごと2名の専任講師と特別講師による週一回のレッスン)
 専任講師レッスン:2時間30分(年度により曜日変更あり)
 ダンスレッスン:75分(各学年2クラス、隔週で実施)
 スタジオレッスン:収録を想定したレッスンで、各学年ごとに実施
 任意参加のレッスン:別料金でナレーションレッスン、ボーカルトレーニング
 その他:二年生修了時に卒業発表会を予定

専任講師レッスンについては、時間は変更なかったと思います。
曜日は僕の時は確か水曜…だった記憶ですが、すみません失念しました。
ただ通例であれば、同じ日に期生ごとの全クラス(僕の時は3クラス)の授業が行われました。
11時から1クラス、14時から2クラス~といった感じです。
クラスの順番については先方が決定するため、残念ながら希望で時間帯を選択することは出来ません。

ダンスレッスンは僕の頃にはなかったため、新たに設けられた様子です。
スタジオレッスンに関しては、カリキュラムの発表を兼ねた収録の際に使用した程度で、頻度は少なかったです。
任意の参加レッスンは存在していたため、この点も変更はありません。

その他について、一年修了時に発表会はありましたが、二年修了時には最終オーディションのみだったので、変わったのだと思います。

カリキュラム

・アニメ、外画吹き替え、CDドラマ、朗読、ナレーション等の実技
・スタジオマナー講義、業界総論講義、その他

ここは概ね記載どおりで変更なさそうです。
マナーなどの講義については、経験上1回、2回くらいの数えるほどしかないと思われます。

特典

1:レッスン中でも番組に出演可能
2:成績優秀者は卒業を待たずにバオバブ所属のチャンスあり
3:オーディション時成績優秀者は、入所金一部免除、もしくは特待生制度あり

こちらも方針に変わりはないように思います。
まあ、殆どどの養成所でも記載のある内容ですよね。
僕が通っていた時には、実際に似たような待遇の同期の方もいらっしゃいました。
既に実績があって移籍・編入してきたり、仕事の斡旋を受けていたり等です。

審査方法

・オーディション(面接内容:自己PR・セリフ、オーディション料:5000円)

僕の時は…やった内容は詳しく覚えていませんが、確か自由なセリフを~秒以内で、といった感じで縛りは緩い方だったと記憶しています。
またテープオーディションだったため、実際に会場に赴くといったことはしていません。
プロフィール等の書類とボイス収録したCDを送る形式です。
オーディション料も大体このくらいだったと思います。

ところで、こうしたオーディションは多くの場合費用がかかりますが、何故発生するのかは…推して知るべし、といいますか…。
ただ一般的な会社や、真に有望な人材を集めたい等費用は徴収しないケースもあるという場面があることは、知っておいてもいいかもしれません。

費用

・一年目
入所金100000円 授業料20000円×12回 総額340000円
二回分割の場合 初回金額220000円 2回目120000円
月謝納入の場合 初回金額120000円 5月文より毎月20000円×11回

・二年目(11ケ月)
施設費50000円 授業料20000円×11回 総額270000円
二回分割の場合 初回金額170000円 2回目100000円
月謝納入の場合 初回金額70000円 5月文より毎月20000円×10回
(授業料のみ2回分割と月謝の選択肢有り)

ここも記憶にございません(笑)が、大体金額は変わっていないと思います。
授業回数も関係しますが、数多くある養成所の中ではリーズナブルか、平均的な方ではないでしょうか。
あと分割と月謝で金額が安くなるといった特典はないようですね。
二年目の方が回数が少ないのは、恐らく年度調整のためでしょう。

講師

・【専任講師】:峰あつ子さん、野村須磨子さん、鳥海勝美さん、松岡由貴さん
・【特別講師】:第一線で活躍するディレクターおよび所属俳優、マネージャー

僕の頃とほぼ内容は同じですが、専任講師が二名変更となっています。
以前は「内田聡明さん、清水マリさん」が担当しておられましたが、現在は「鳥海勝美さん、松岡由貴さん」が代わりとなっているようです。
理由としてはシンプルに事務所を移籍したからだと思われます。
それと同じ構成であれば「前者二名は二年目の担当、後者二名は一年目の担当」のはずです。

アクセス

・東京都新宿区神楽坂2-12神楽坂ビルディング2F・4F

レッスン場は4F、鏡張りのよくあるダンススタジオといった風貌です。
2Fには授業以外の仕事にも使用される「スプリングスタジオ」があります。

ここは僕の時と全く変わっていませんが、一つ違う点としては同ビル5Fに事務所があることです。
以前は、北側ファミリーマート/ロイヤルホストの西向かいの建物に事務所があったのですが、現在は移転しています。
レッスンスタジオのビルにはエレベーターが無かったため、現在も改装されていなければ…行き来はいい運動になるかもしれませんね。

僕は最寄りとなるJR総武線飯田橋駅西口より下車して通っていました。
神楽坂は昔ながらの穏やかな町並みも混在しており、散策スポットとしてもいいと思います。
ちなみに、駅から少し南にいくと、縁結びで有名な東京大神宮があります。

以上、僕の通っていた当初と比較してコメントしてみましたが、大きな変更点は無いようです。
また数ある養成機関の中では、応募制限も緩く、授業のスパンが週一ということもあり比較的入所の敷居は低い方だと感じます。

ちなみに実際に当時の養成所所長から聞いた話ですが、倍率は2倍くらいだったと聞いたような気がします。
ただ、プロフィール写真を折って提出するなど、論外な理由から落とした人も多くいるとも聞いています。

なので、上記のような極端に常識やセンスがない場合以外は、通過出来るのではないでしょうか。
ご時世の関係もあり、そもそも養成機関への応募者は減少傾向にあると思いますので、もし今後応募を検討している方は頑張ってください!

実際の授業内容

それでは、実際の授業内容について振り返っていきます。

まず入所後、社長および専任講師陣から挨拶や心構え等の説明会がありました。
(僕の期ではレッスン場ではなく、飯田橋近くの大会議室のようなスペースを借りて実施されました)

そしてまずはクラス分けおよび発表がされていると思いますが…人数によりクラス数は異なってくると思われます。
僕の時は「一年次=DEFの3クラス、二年次=ABCの3クラス構成」で、一年次はFクラス(班)でした。
それから、1クラスの人数は大体20人弱くらいだったでしょうか。
結構このくらいの人数構成というのはスタンダードだと思います。

ちなみに若干話が反れますが、世の中の教育現場でのクラス分けに関する定説はご存じでしょうか。

それは「能力や性格が偏らないように編成する」ことです。

例えば、名門慶應義塾幼稚園のクラス分けについては、ローマ字表記にちなんでK組、E組、I組、O組となっているそうです。
そしてこのクラス分け、親が医者や政治家等の環境によって配属が分類されているそうなんです。

…と、これは調べたところ、どうやら都市伝説みを帯びている情報のようですが、一般的な小学校等の場合はまた異なるようです。
具体的には、成績優秀な子が偏らないようそれぞれ均等になるようにしたり、騒がしい子や大人しい子が別個で固まらないようにしたり。

なんだか差別的と感じるかもしれませんが、これってある意味必然的な対応といえるんじゃないでしょうか。
というのも、クラス毎に偏りなくバランスをとることは、スムーズに運営する上で必要なことだからです。

よく学校は社会の縮図と言われますが…
偏ったコミュニティではなく、色んな人と共同生活をさせるという仕組みになっていると思えば納得ですよね

それは養成所も例外ではないのかも…という部分については後編でも書くかもしれませんが、僕はF班でのスタートとなりました。

一年目について

始めに、本記事で講師名について記載していますが、パーソナルな部分については言及しません。
記載の講師はすべからく大切な恩師であり、私見が人格批判等に捉えられる可能性もあるため、その点は何卒ご了承いただけますと幸いです。

僕が一年目にご指導いただいたのは、内田聡明さん、清水マリさんの二名です。
資料の記載内容を拝見すると、現在一年目は鳥海勝美さんと松岡由貴さんがご担当されている可能性が高そうです。

ちなみに講師の方を「さん」呼びするのに違和感や、敬意を払っていないと感じられる方もいるかもしれません。
ただ当時もそうでしたが、これには理由があります。

というのも、恩師の方から「もし現場で一緒になった時、先生と呼ばれるとむずがゆい」といったお声があったからです。

キャリアに差があったり、どんなに拙くても現場で一緒になれば同業者であり、同じ立場です。
そのため限られた状況かもしれませんが、個人の意見とはなりますが参考にさせていただき、以後心構えとして意識するようにしています。

さん付けで呼ぶこと自体、別に敬意がないということにならないですしね

とはいえ、逆に「先生」と付けないと白い目で見られる場合もあるかもしれないため、そういう時は臨機応変に対応していただければいいと思います!

前期の授業

一年目で扱った教材は「戯曲」と「詩と朗読」で、それぞれを講師別に教わります。

それと僕の場合は、最初に簡単な自己紹介やレクリエーション、そして初回の授業までに1シーン覚えてくる課題がありました。
このあたりは多分、どの養成機関でも最初にありそうなので、素直に人間性を出したり、楽しめばいいと思いますね。

戯曲はシェイクスピアの某作品を題材に、シーンを抜き出して掛け合いを舞台形式で学んでいきます。
舞台形式といっても、本格的に動きを付けるというよりは、イメージを形作るための簡単な立ち稽古といった感じです。

また戯曲は「言葉のキャッチボール」、つまり相手の言葉を受けて返すことに重点をおいている様子でした。
役の振り分けはありますが、キャラクター作りよりは、どちらかというと芝居の基本的な技術を身に付けることを主眼にしていた認識です。

誤解を恐れずに言えば、戯曲や舞台は大げさに表現をする必要があり、声優の芝居にも共通する部分が多いです。
言葉を投げかけるイメージを解りやすくするため、お手玉を用意して相手にセリフに合わせて投げ渡したりもしました。
それと、シーン的には多数の登場人物が入り乱れるものは基本的に無く、二~三者での掛け合いが中心のため集中して取り組める構成でした。

詩と朗読については、前期は数ある題材(詩)の中から個々に好きなものを選択し、表現してみるというスタイル。
動物や植物が、気持ちや情景を謳うようなファンシー寄りの題材だったと思います。

こちらは戯曲に反して、自分なりの表現を学んでいく方針だったと感じました。
自由度が高いので、楽しいと感じる方は多いかもしれません。

双方それぞれ学べる部分が異なるため、バランスを考えてカリキュラムが組み立てられている印象です。
期間もあるので、最初は慌てずクラスの雰囲気を掴んでいくといいんじゃないでしょうか。

ちなみに、基本的にどちらの授業も前提として台本のセリフは覚える必要があるため、その点は注意です。

夏休み期間

夏季にも授業自体あったと思いますが、、、その他別枠のナレーション講義などもあります。

そして、それとはまた別に毎年恒例のちょっとしたイベントがあります。
それは所謂地域のお祭りで、事務所として「バオバブ連」という団体が存在し、夏休み期間に神楽坂で盆踊りを行うというものです。

ちなみに僕は参加したことがありません!

こちら、養成所生の参加は有志なのですが、通常の授業とは別に練習の機会が設けられます。
また当然のことながら、体力も結構使います(使うそうです)。

え?しんどそうだし、メリットもないでしょ…絶対だるいじゃん

正直、多くの方はこんな風に感じるんじゃないでしょうか(笑)
公に評価に繋がるなら、皆参加していますしね。

ただまあ、こういった催しや協力要請に関しては、捉え方次第だと思います。
それがどうということはありませんが、養成所ではなく事務所としての参加になるので、マネージャーさんや所属している先輩が参加されることもあります。
なので、顔を知ってもらう機会になりますし、アピールも出来る…かもしれません。

勿論なんの保証にもなりませんが、どう活用するかは自分次第。
コロナの影響が無ければ恐らく毎年実施されると思うので、ご都合の合う積極的な方は参加してみてはいかがでしょうか。

一踊りした後のビール(未成年はソフトドリンク)は格別ですよ!(鼻ほじ)

後期の授業

後期は前期でやったことをベースに、年度末に行われる発表会に向けた内容を進めていきます。

戯曲については、配役を絞り、二者でペアを組んで指定のシーンを練習していきます。
ここまでくると相手が固定になるため、授業とは別に相手の方と時間を作って練習していましたね。

関連記事で「養成所で友達を作るな」といった趣旨のことは書きましたが、芝居は一人では出来ません。
こういった場面ではどんどん協力して、友好的にお互い高めていけたらいいと思います!
やりすぎたり方向性が違ってしまう場合もあるのでは?と不安になるかもしれませんが、そのあたりは発表込みで講師の方が演出&指導してくださるので、信頼して大丈夫です。

詩と朗読については前期でやったものではなく、新たに題材を選んできて練習します。
この題材は一人で出来るものに限りますが、基本的に何をチョイスしても問題なかったと思います。
皆さん思い思いのものを用意してきて、個性的で面白かったですね。

ちなみに僕はリスペクトしている西尾維新先生の「傷物語」より冒頭のシーンをやりました。
(アニメとして有名になっているのでちょっとどうかと思う人もいるかもしれませんが、小説からの引用ですのでそこは…)

とにもかくにも、明らかに問題のあるものでなければ許可されると思うので、こういった状況では奇をてらわず、得意なジャンルのものをやればいいと思いますね!
こちらは戯曲と違って自身のみの課題のため、結構自分のペースで出来ました。

それから、役者志望の御用達「外郎売」をクラス全員で合唱の如く朗読する発表もあるので、それも後者の授業で練習していきました。

発表会

一年の締めくくりとなる発表会は、レッスン場近くの舞台がある会館のような場所で行われました。
一応外部の人も観覧出来たはずなので、知り合いを招いた人もいたのではないでしょうか。

発表は班毎で順番が決められており、更に班内で決めた順番で進めていく流れです。
より具体的には、予め決めた順番で戯曲をペア毎に演じる→予め決めた順番で自由題材を演じる→最後に班全員で外郎売、といった感じです。

順番が後の班は、他の班の発表を観覧しますが、発表が終わった人は自由解散していい形式だったため、終わってすぐ帰る人もいた気がします。
自分のF班は確か最後だったため…ちょっと客席がまばらだった記憶があります(笑)

現在は二年度に行われるようですが、発表会はいわば年度の集大成であり、大きな評価・審査の場となるでしょう。
マネージャーの方も観覧しに来ていたはずですので、重要と見て間違いないです。

一般的な声優の仕事はアフレコなどで、録りなおしが出来ます。
しかし昨今では、こういった舞台上での仕事や、やり直しのきかない生のイベントをする機会もあると思います。
僕は舞台の経験もありましたし、ある程度は乗り越えられると自負していますが、慣れていない方もいるでしょう。

いずれにしても、プレッシャーに打ち勝つ力を鍛えられる場面ですし、心して臨みたいところですね!

最後に班のメンバーでお世話になった講師に贈り物を渡し、喜んでいただけたのはいい思い出です

注意点や四方山話など

その他気になったことや注意点を書き出してみました。

イメージと実際の温度差

声優の養成機関ということで、専門的な体験を通して学べるに違いない!と期待される方が多いかもしれません。

これは環境によってそれぞれかもしれませんので、確実なことは言えませんが…
実際、声優らしいと言える実践はあまり無かったりします。

というのも、段階や内容によりますが、声優然としたマイク前での授業というものが殆どありません。

基本的には、演技の根本的な部分を学ぶために演劇をやったり、基礎を身に付ける方針のところが多いと思います。
簡易的スタンドを立ててマイク前のような形式でやることはありますが、アフレコのような本格的な形式はとりません。

この点について、憧れが大きい人ほど「イメージと違う…」といった温度差を感じてしまうかもしれません。

また、基礎の部分に関しても、発声や活舌は簡単な練習は行いますが、あくまでウォーミングアップ、慣らし的なものです。
僕の場合もそうでしたが、根本的な原理の解説等、深くはやらなかったりそこまで時間を割かないと思います。
なので、基礎鍛錬について不安な方は、独学で研究したりその他のスクール等を活用することをオススメします。

いずれにしても、週一の二時間半という時間の中で学べることは限られているので、いかに吸収するかを考えた方がいいかもしれませんね。

授業を受ける心構え

僕は専門学校に通っていないので、自分の目で見た内情を知りません。
ただ学校の方針にはよりますが「お客様に対するサービス業」という考え方が大きいように思えます。
なので、すぐ辞められたりして商売にならないといったことがないように、生徒に対して十分な配慮がされるのが一般的でしょう。

ただ、養成所は事務所の直属の機関として、商品になる人材を見定め、育成する場所です。
もしかしたら人によっては、講師や指導に対して厳しいとか、当たりがキツイと感じる方もいるかもしれません。

また僕の場合「授業中に寝る」「拗ねて辞める」といった人もいました。

こういった方は何のために来ているんでしょうね…

上記以外でも、個人的な理由で離脱していく人は一年目でも少なからずいると思います。

少なくとも、専門学校ほど易しい場所ではないため「普通の学校の感覚でいかない」というのは、最低限心得ておいたほうがいいですね。

専門学校からのコミュニティ

専門学校を卒業後、そのまま事務所の養成所に行く方が多いと思います。
有力な事務所も数が限られているため、その流れで、養成所内でも専門が一緒だった人同士のコミュニティが形成される可能性があります。

僕の場合も多分に漏れず「専門学校時代から繋がりのある友人同士」がちらほらいました。

僕自身そうなのですが、既存のコミュニティに入るのが結構苦手なんですよね…。
高校入学時も、一貫校だったため中学からの友達グループの力が強すぎて、ずっと馴染めませんでした。

なので、こうした環境に慣れるのに苦労したり、やりにくいと感じる人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

とはいえ前向きに捉えれば、うまく人付き合いしていくコミュニケーション力を鍛える場にもなるため、頑張りたいところですね!

もちろん、繰り返し言っていることですが前提として「本来の目的を見失わない」「友達を作りにきたわけではない」といったことは忘れてはいけませんが…
自分にとってやりやすい環境を作ることも、最大限パフォーマンスを発揮するために大切なことですから。

一年目だからこそ

ぷろだくしょんバオバブ附属養成所の内容について、パート①をまとめさせていただきました。

ちょっと勇気を出して、明け透けに書いています。
この手の情報は、期間も費用もかかるものですし、実体験として耳に入れる機会は多くないんじゃないかと思いますので、参考にしていただければ幸いです。

ただ、根本的な大筋はそこまで変わらないと思いますが…
もちろん年度や状況によっては本記事とは授業内容が異なるでしょうし、保証は出来かねますのでその点はご理解のほどお願いします。

一年目は環境に慣れるため、色々大変だと思います。
ですが、勝負は足を踏み入れたその時からもう始まっています。

一年目でもマネージャー等に見られる事もあるでしょうし、目に留まれば仕事のチャンスもあります。
実際に一年目から仕事の斡旋を受けていた一歩先にいるような人もいましたし、現在前線で活躍している人の多くはそもそも特待だったりすると思います。

傲慢にならないよう意識しつつ、一年目だからこそ「まだ生徒の身分」「まだ一年目」などと思わず、本来の目的を見失わないようにしたいですね!


それでは、次は後編の②に続くということで。

Bonne soirée! ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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