Bonsoir! 川古です。
昨今、声優も人前に立つ機会が多くなり、様々なメディアで見かけるようになりました。
本来声優は裏方の仕事であり、人前に立つ必要はないものです。
しかし時代の流れとともに声優の在り方も変化し、今や当たり前のように「顔」と「声」の一致、認識がされるようになりました。
ひとえにIT技術の発展も関係しているでしょうが、一昔前はそこまで衆目に晒されることは殆どなかったはず…
それだけに、ルックスを意識されている人も多いのではないでしょうか。
今回は「声優にルックスは必要?」かという点について解説していきたいと思います。
結論として、声優にルックスはとても重要です。
何故ルックスが重要なのか
ルックス、つまり容姿や顔の重要性について。
ルックスは大事でしょ、当たり前じゃん
言うまでもなく、そう考えている人も多いと思います。
ただ、そうでない人も含め、なんとなく流されてそう思っているということがあるんじゃないでしょうか。
もし該当する場合は、声優という業界にフィックスし過ぎて、視野が狭くなってしまっている気がします。
本能として存在する
まず前提として、原始的な生物の本能として、人に限らず生き物は見た目の良いものに惹かれるという点があります。
もっとざっくり言うと、人は綺麗なものに好意的です。
少し発想が飛躍していますが、大枠として世の中容姿を基準に物事を選択する機会が多いように思います。
より身近で日常的な具体例を挙げますと…
- 買い物でスーパーの野菜を手に取る時、形のいいものを取る
- 孔雀は翼を広げて、いかに美麗な羽根を持っているか雌にアピール
- 企業PRや広告に容姿のいい人を起用
といったように、枚挙に暇がありません。
ちなみに人間は左右の目のバランスが良いなど、形が整っているほど遺伝子的には優れると言われているそうです。
また前述の通り「ルックスは大事」「=損よりも得の方が多い」と感じられている人は多くいると思います。
全てに当てはまるわけではありませんが、いずれにしても人の選択や活動に多大な影響があることは否めません。
これは「声優も例外ではない」ということです。
ルックス、容姿に優れるということは、選ばれる身として役得であるという認識は持っておいたほうがいいでしょう。
少し反れますが、こうした意識しないでも当たり前に感じることは、心理学でいうところの集合的無意識の領域なのかもしれません。
時代のニーズが変わったから
身も蓋も無いことを言えば、これが真実と言えるでしょう。
冒頭に書いたように、本来声優は裏方の仕事ですし、誤解を恐れずに言えば地味なポジションです。
しかし、時代の奔流により、仕事のジャンルも増え、ビジュアルやエンターテイナーとしての総合力等が求められるようになりました。
華やかになった、盛り上がった、といえば聞こえはいいですが、その分敷居が高くなった印象です。
これはひとえに業界や消費者のニーズが変化した結果であり、必然といえるのかもしれません。
何故なら、もともと声の仕事だけでは稼ぎにくいという実情があるからです。
そして当然、声優業は慈善事業ではありませんので、事務所側にしても「お金になる」商品となる所属者や仕事が欲しいわけです。
そこで、純粋な声とは別の付加価値が重要視され、それらを活用した仕事の幅が広がり、その中で例えばアイドル的なルックスなんかも望まれるようになったのでしょう。
同時にファンや消費者側も「作品自体のみならず、声優という個やブランドに対して注目するようになった」、変遷していったのではないかな、と。
声優でも写真集とか出しちゃう時代です。
言い換えれば「ファンありきのビジネス」になったと言えるのかもしれません。
やる側としてはなんとも耳が痛い話ではあるのですが…
でも、その変化で大衆の楽しみが増えるのならば、少なくとも悪ではないのかもしれません。
声優もエンターテインメントに従事するもの。
根幹の部分では「触れてもらった人を楽しませる」ことが何より大事ですから…
上記のような背景が格差を生んでいるのは厳しい事実ですが、時代のニーズに考えを合わせていけるかどうかも、サバイバルの業界には必要なことです。
忘れないようにしたいですね。
大事なのは身だしなみ
少々仰々しくしてしまいましたが、要は「ルックスがいい方が基本的には得」という話でした。
残酷ですが人は不平等です。
そして殆どの人が、希望するルックスになれるわけではありません。
さらには無意識に差別もしくは区別されてしまう。
とはいえ、生まれ持った部分は容易に変えられません。
なので、大事なのは清潔感を持つことです。
これも本能というか、当たり前の身だしなみになるのですが、不潔なものより清潔なものに好印象を持ちますよね。
統計でも、日本は世界で潔癖率がダントツトップなのだそうです。
なので、内面ではないルックスという側面において、第一印象として最も人に好かれるかが分かれる要素の一つと言えそうです。
それは逆に言えば、内面に難があっても、身だしなみをしっかりしておけば、カバー出来る部分も多いということ。
思い返してみてほしいのですが、人気声優は皆、共通して清潔感がありますよね(ある…はず?)
そして「身だしなみ」としてもう一つ加えると、個性を活かすための工夫が必要だと僕は考えます。
つまり、オシャレのススメです。
というのも、清潔感を出しただけでは個性として埋もれてしまいますよね。
ここもルックスに関わることですが、容姿としての素材が良ければ没個性にはなりにくくなるメリットがあります。
無地の白いTシャツを着ただけでも様になる、みたいな感じでしょうか(声の特徴とも通じるものがありますね)
でも一般的に目に留めてもらえる商品になるためには、やはり被服的な意味で工夫をする必要があるんじゃないでしょうか。
以上のことから、意識すべき点として「小綺麗にしつつオシャンティー(死語?)に気を遣う」ことを提案します。
ルックスと言っても、カッコイイ、カワイイの基準は人それぞれで難しいですし、方向性にも依ってくる…
お笑い芸人の場合は個性的な見た目の方が有利に働くこともあるでしょうし。
やはり多くの人に見られる職業の場合は特に「ルックスより前に人としての身だしなみ」を意識することが大切ですね。
ちょっとした実例
僕が養成所に通っていた時の話です。
これは同期の方から聞いた話なのですが…
講師の方は出席簿やら台本やら、何かしらの書類を携えてくると思います。
その中に評価するための資料があり、たまたま見えた評価欄の内容に「顔:A」のような、ルックスについての記載があったとのことです。
そのまますぎて、ちょっと生々しいですね…でもこれ「ルックスも評価基準に含まれる」という事実なんです。
そもそもオーディションの類は、全身とバストアップ写真の提出の他に「スリーサイズ記載欄」なんかも当然のようにありますよね。
俳優やモデルなら解りますが…
声優の場合も普通にあることが多いので、それらが参考にされているのは疑いようもありませんよね。
たまに応募要項Q&A等で「Q.プロフィール写真はスマホ撮影でも大丈夫ですか A.かまいません。但しプリクラや加工したものはお控えください」みたいな内容をみかけますが、これは個人的にNGというか質問自体が論外です。
先方もあえて言わないのだと思いますが、仮にスマホで簡易的に済ませたものは相手にも熱量が伝わります。
いくら最近のスマホが高機能とは言え、施設やスタジオを利用しない手はないです(※音声の録音も同様です)
金銭的な事情等あるかもしれませんが、本気ならば、当然の感覚としてそのくらいはきちんと整った環境で用意することを強くオススメします。
あとこれは推測にはなってしまうのですが…
歯医者さんには誰しも一度は言ったことがあると思いますが、受付や歯科助手さんって、何故か綺麗な女性であることが多い気がしませんか?
ここに限らずですが「受付嬢」なんて言葉があるくらいです。
これって印象を良く見せたり、安心させたり等、心理的な効果を期待してのことなんじゃないかな、と。
逆にドキドキしてしまって逆効果な気もしますがね!ハハッ(紳士笑い)
あとは女子アナウンサーとかでしょうか。
伝聞があるわけではありませんが、これは採用側の意図や理由が明確に見てとれますし。
(とはいえ、どの企業も「ルックスが良くてコミュニケーション能力がそれなりにある」人は欲しいと思うでしょう)
内容的に倫理上の観点からタブー視されがちですが…とりわけ女性はこういった判断基準を設けられがちなのが苦しいところです。
しかし、ここで伝えたいことは決してネガティブシンキングではなく「備わった特性を活かしている」という点です。
例えば「ルックスに自信が無いから出来ることが減る」というよりは「ルックスに応じて出来ることの幅が増える」と捉えた方が救いがありませんか?
僕自身もルックス的なコンプレックスが多いですし、辛い経験をしたこともあります。
でも、持っているものをどう使うかは使い手次第です。
劣っていると感じたとしても、それは思い込みで、思わぬ魅力があったりするかもしれません。
またルックスが良いと自他ともに認めるような人であれば、それも授かった立派な才能であり、能力です。
そこは自分のため、忖度せずに、武器としてどんどん活かしていけばいいと思いますね。
必要ではなく重要
というわけで、容姿に関する本記事のまとめです。
・声優にとってルックスはとても重要
・大事なのは身だしなみ
・武器になるならどんどん活かすべき
ルックスは良し悪しの定義が難しく、時代によっても異なります。
(今の時代に限っては、日本人の場合所謂「アイドル的な顔立ち」が好印象を持たれやすいようですが)
また求められる立場や現場によってもニーズが異なりますし、それぞれが個性で、立ち位置を決定づける全てではありません。
あと、声優やタレントはそこに年齢も絡んでくる側面がありますし…
(ぶっちゃけ年齢の方が根深い問題ですが、また別の機会に)
なので、声優にとってのルックスは「必要ではなく重要」という言い方に留めた次第です。
ただ、集合的無意識にあるような、時代や文化に関係なく作用する共通認識はあると思っています。
「なんか汚い」といったようなマイナスなイメージを持たれないように、可能な部分は気遣っていきたいですね。
そんなこんなで。
Bonne soirée! ここまで読んでいただき、ありがとうございました。